狙い
アマチュアの将棋で最もよく指される戦法で、指導者が最初にすすめるのもこれです。理由は、形が決まっているから。相手が何をしてきても、ほぼ同じ十数手を指せばよく、その一手ずつに理由があります。飛車は元の筋から左の金の前の筋(左から数えて四つ目なので四間飛車)へ振り、玉は右へ歩いて美濃囲いに収まる。あとは待ちます。
居飛車の相手は堅い陣に攻め込まなければならず、仕掛けてきたところを、飛車がもとから利いている筋で反撃します。
組み方
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △8四歩 8c8d | 角道を開けます。 |
| 3 | ▲6六歩 6g6f | △3四歩 3c3d | また止めます。この歩で角交換を防ぎ、銀の上がる場所も作ります。 |
| 5 | ▲6八飛 2h6h | △6二銀 7a6b | 飛車を6の筋へ振ります。ここから形が決まります。 |
| 7 | ▲7八銀 7i7h | △4二玉 5a4b | |
| 9 | ▲4八玉 5i4h | △3二玉 4b3b | 玉が反対側へ歩き始めます。 |
| 11 | ▲3八玉 4h3h | △5四歩 5c5d | |
| 13 | ▲2八玉 3h2h | △5二金右 6a5b | 玉が定位置に。三手で入城です。 |
| 15 | ▲3八銀 3i3h | △8五歩 8d8e | 銀が玉の隣に上がります。 |
| 17 | ▲7七角 8h7g | △7四歩 7c7d | 角が8六を受けます。伸びてきた歩に備える一手です。 |
| 19 | ▲5八金左 6i5h | △4二銀 3a4b | 金を上がって、美濃囲いの完成です。 |
| 21 | ▲6七銀 7h6g | △3三銀 4b3c | 左の銀が中央と飛車の筋を支えます。 |
| 23 | ▲1六歩 1g1f | △1四歩 1c1d | 玉の逃げ道を作る端歩です。 |
| 25 | ▲4六歩 4g4f | あとで銀を4七や5六へ動かすための場所です。駒組みはここまで。あとは待ちます。 |
駒組みのあとの指し方
- 自分から仕掛けない。囲いを完成させてから、銀を5六や4七へ、頃合いを見て桂を7七へと、形を良くしていきます。
- 居飛車が8筋から、あるいは3筋の銀で攻めてきたら、6筋で応じます。歩を6五へ突いて交換し、飛車と角を働かせる。これがさばきで、手を稼ぎながら駒を軽くしていく指し方です。
- 角交換は、自分に得なときだけ。6六の歩は、その選択権をこちらに残すためにあります。
- 終盤、美濃囲いは横からの攻めに強い形です。相手には正面から来てもらい、その手数でこちらは相手玉に迫ります。
気をつけること
- 3六に跳ねてくる桂や2六の歩は、囲いの頭を狙った手です。早めに手当てします。
- 左辺への棒銀。6七の銀と7七の角の連携を保ち、相手の銀を7五に居座らせないこと。
- 穴熊。隅に潜られると、待つ将棋は成り立ちません。組み上がる前に、6筋で何かを起こす必要があります。
どんな相手に指すか
居飛車が相手です。飛車は右に残り、玉は左に囲う。舟囲いか左美濃、穴熊になることが多い形です。
美濃囲いではなく穴熊に
四間飛車穴熊
四間飛車は美濃囲いの代わりに穴熊にも囲えます。飛車を6八へ振り、玉を4八、3八、2八と進めるところまでは同じで、そこから香を1八に上げ、玉を1九の隅に潜らせ、銀を2八に上げてふたをし、金二枚を3筋に並べます。美濃囲いより数手多くかかりますが、その分玉ははるかに遠く堅くなります。
広瀬章人の著書をもとに ja.wikipedia がまとめている指針は、低く構えて駒を交換し、遠い玉の堅さを生かすこと、角頭を攻められるまでは左の銀を動かさないこと、そして居飛車穴熊が相手のときは、6八の飛車が左の銀の囲いへの道をふさいでしまうので、その銀を早めに5六へ出して▲4五銀、▲3四銀を狙うことです。
広瀬はこの戦法を愛用して定跡の発展に貢献しました。2019年の人気順位では四十九位です。図は、飛車を6八に振った穴熊のページの組み方です。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。