囲い
玉は、まずどこへ行くか。
取った駒は打てるので、盤の真ん中に裸で立つ玉は安全ではありません。いつでも隣に駒を打たれます。だから戦いが始まる前に、将棋指しは最初の数手を使って玉を端へ寄せ、その前に金銀の壁を作ります。この壁が囲いで、このアプリの名前もここから取りました。
チェスのキャスリングのような一手はありません。囲いは一手ずつ組むもので、どれを組むかは飛車がどこへ行ったかで決まります。飛車が右に残れば玉は左へ、飛車を左へ振れば玉は右へ。ここでは右に十八、左に三十九、あわせて五十七の囲いを、系統ごとに、その名のもとになった囲いを先頭にして並べました。下のどれにも、手順を並べたページがあります。
どの囲いにも共通する三つの考え方
- 金銀は前、玉は後ろ。壁になるのは金と銀で、玉はその後ろに立ちます。壁の中ではありません。玉の隣の金は、攻めに出た金より働いています。
- 攻める前に囲う。居玉は避けよ、という格言があります。玉を5九に置いたまま始めた攻めは、たいてい玉が5九にいるまま終わります。
- どの囲いにも頭と横がある。美濃囲いは上から攻められるのを、矢倉は端から攻められるのを、穴熊は組み上がる前に攻められるのを嫌います。自分の囲いの弱点を知ることは、相手がどこを狙っているかを知ることです。
右に組む囲い(振り飛車)
飛車を左へ振れば、玉は右へ行きます。まず美濃囲い。片美濃囲いはその金が一枚足りない形で、中飛車はここで止まります。金の入る5八に飛車がいるからです。ちょんまげ美濃、坊主美濃、銀美濃、金美濃、木村美濃は、その上や隣に組む軽い囲いで、壁囲いは玉と銀が一つ手前で止まった形です。
高美濃、銀冠、ダイヤモンド美濃は、本美濃に手数を足していった形で、平目は中飛車の金銀四枚の形です。穴熊は別で、隅に入るために十一手を使います。振り飛車ミレニアムは、玉を桂の位置に入れます。続いて、両者が飛車を振る将棋の囲いとして金無双、左玉、右矢倉。最後が初心者の冗談の無敵囲いです。
左に組む囲い(居飛車)
飛車を右に残せば、玉は左へ行きます。相手が振り飛車なら、左美濃。右から早く仕掛けるなら天守閣美濃で、その発展形が四枚美濃、端玉銀冠、米長玉です。長い将棋なら左銀冠、一手で角筋から玉を外す串カツ囲いもあります。急ぐときは舟囲いで、急戦のためにそれを固めた形が箱入り娘、二枚金、菱囲い、elmo囲い、地下鉄飛車のための文鎮囲いです。
じっくり組めるなら居飛車穴熊、一直線穴熊、松尾流穴熊、銀冠穴熊、ビッグ4、ミレニアム囲いです。続いて矢倉の仲間。矢倉とその早囲い、金銀四枚の総矢倉、金銀の配置を変えた菱矢倉、銀矢倉、銀立ち矢倉、菊水矢倉(銀立ち矢倉は主に振り飛車に対して使います)、玉を隅へ入れた矢倉穴熊、矢倉への第一歩のカニ囲い、玉を一筋中央寄りに置く土居矢倉。
角を交換したあとなら、角打ちの隙が少ない片矢倉、ボナンザ囲い、兜矢倉です。そして二つの雁木、空中戦で玉を中央近くに置く中住まい、金開き、中原囲い、いちご囲い、盤の中央に低く構える奇襲のアヒル囲いです。
今夜ひとつ組んでみる。
アプリの検討は、流れが変わったときにどの囲いをどこまで組めていたかを示します。コンピュータも囲うので、同じ形を相手側からも見られます。