狙い
十七世紀の盲目の名手の名を冠した石田流は、待たずに攻める振り飛車です。早めに歩を7五へ伸ばし、飛車を7八へ振ってさらに7六へ浮く。桂を7七へ跳ね、角は回って9七へ。飛車と桂と角がそろって相手の左辺を見る形になります。玉はいつもどおり右の美濃囲いへ。
速く、攻めが利き、将棋の中でも美しい形の一つで、最も人気のある振り飛車の一つでもあります(2019年の『将棋戦法事典100+』の人気順位で四位)。
組み方
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | |
| 3 | ▲7五歩 7f7e | △8四歩 8c8d | 二つ目の歩。ここで石田流に決まります。 |
| 5 | ▲7八飛 2h7h | △8五歩 8d8e | 飛車を左から三つ目の筋へ。 |
| 7 | ▲4八玉 5i4h | △6二銀 7a6b | |
| 9 | ▲3八玉 4h3h | △4二玉 5a4b | |
| 11 | ▲2八玉 3h2h | △3二玉 4b3b | 玉が定位置に。振り飛車はどれも同じです。 |
| 13 | ▲3八銀 3i3h | △5四歩 5c5d | |
| 15 | ▲7六飛 7h7f | △5二金右 6a5b | 飛車が自分の歩の後ろに浮きます。石田流の看板の形です。 |
| 17 | ▲7七桂 8i7g | △4二銀 3a4b | 桂を跳ねて飛車を支え、6五と8五をにらみます。 |
| 19 | ▲9六歩 9g9f | △3三銀 4b3c | |
| 21 | ▲9七角 8h9g | △1四歩 1c1d | 角が端まで回り、長い斜めをにらみます。 |
| 23 | ▲5八金左 6i5h | △6四歩 6c6d | 美濃囲いの完成です。 |
| 25 | ▲6八銀 7i6h | △6三銀 6b6c | 左の銀が飛車の後ろに上がります。 |
| 27 | ▲6六歩 6g6f | 6筋の歩を突いて形を整えます。石田流の完成形は、飛車7六、歩7五、桂7七、角9七、銀6八。 |
駒組みのあとの指し方
- 戦いの前に形を作ります。歩7五、飛車7六、桂7七、角9七。どの駒も次の駒を支えています。
- 攻めの起点は7五の歩です。交換が得になる場面で7四へ突けば、飛車と桂がそこから働きます。
- 9七の角と7六の飛車は、どちらも8六に利いています。8五には7七の桂がもう当たっています。8六へ伸びてきた歩は、脅威ではなく的です。
- 美濃囲いを手抜きしないこと。仕掛ける前に銀3八、金5八までは組んでおきます。石田流の攻めが失敗すると、あとは玉が一人で受けることになります。
気をつけること
- 早い角交換です。飛車が7六に浮く前に角を換えられると、7七の桂が打ち込まれた角の的になります。
- △8五歩は、8六を狙う手とセットで来ます。遅れずに角か桂で受けます。
- 何も仕掛けてこない相手。その場合、石田流は普通の振り飛車になります。囲いを完成させて待ちます。
どんな相手に指すか
たいていは居飛車が相手です。三手目▲7五歩からすぐ仕掛けるのが早石田、上の手順は同じ出だしから囲いと形を優先する本組みです。
穴熊に対して:楠本式石田流
楠本式石田流
居飛車穴熊に対して、アマチュアの楠本は角を反対側に置いて石田流を組みました。角は9七ではなく、▲3六歩のあと3七へ回ります。そこから相手の飛車や9一の香を狙う、と三間飛車のひとくちメモは書いています。ja.wikipedia が示す狙いは、飛車のコビンに▲7四歩と突き、9一で角を成り、その馬を玉の隣の2八に引きつけることです。
玉は端の1八へ寄り、端歩は1七のままにします。突くと玉が端攻めの目標になるからです。図は同サイトのもので、角が動く前と、▲3六歩、△8四飛、▲3七角のあとです。手数がかかるので穴熊専用の作戦だ、と同サイトは書いています。完成した囲いは二つの資料で描き方が違うので、最終形は示していません。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。