中盤 · 形勢判断
どちらが良いか、なぜか。
方針を決める前に、強い人はどちらが良いかを考えます。そのための決まった形が形勢判断で、四つの要素を一つずつ確かめます。どれか一つで決まることはなく、要素どうしを比べるところに腕が出ます。
なぜ判断するのか
正しい方針は答えによって変わります。良ければ駒を交換して局面を単純にし、悪ければ局面を複雑にして玉を狙います。形勢判断をしない人は、受けるべきところで攻め、勝てたところで受けてしまいがちです。
1. 駒の損得
盤上と持ち駒を合わせて、互いの駒を数えます。将棋では取った駒がすぐ打てるので、持ち駒も戦力です。駒の価値の一般的な順は次のとおりです。
飛 ≧ 角 > 金 ≧ 銀 > 桂 ≧ 香 > 歩
点数での目安と、どの表も局面の要約にすぎない理由は駒の価値のページに。桂か香一枚はおよそ歩三、四枚、金銀を含む二枚替えはたいてい得、が目安です。
2. 駒の効率
駒は働いてはじめて価値どおりになります。同じ駒数でも、どれだけ利いているかには大きな差があります。見るところは次のとおりです。
- 筋の通った飛車や角道の通った角と、自分の歩に閉じ込められた駒。
- 戦いに参加している駒と、初期位置から動いていない駒。
- 相手陣に入った成駒、とくに竜と馬。
- 持ち駒。次の一手で必要な所へ打てる。
3. 玉の堅さ
玉の周りの金銀の枚数を数え、それから形を見ます。同じ枚数でも、穴熊は美濃囲いより、美濃囲いは舟囲いより崩れにくいとされます。王手のかかりやすさも見ます。いろいろな方向から王手がかかる玉は、金銀の枚数ほど固くありません。
それぞれの囲いとその堅さは 囲いのページにあります。
4. 手番
序盤で一手の差はあまり問題になりません。終盤ではそれだけで勝負が決まることがあり、一手早く届く攻めは、駒損をしていてもたいてい勝ちます。
どちらが先に届くかを一手ずつ数えるのは、それ自体が一つの技術です: 速度計算。
重みの移り変わり
- 序盤:駒損を避け、囲いを完成させる。手番は軽い要素。
- 中盤:駒の損得と駒の効率がたいていの方針を決め、玉の堅さで攻めに踏み込めるかが決まる。
- 終盤:玉の堅さと手番が主役。駒の損得も無視はしないが、相手玉を寄せることが最優先。
習慣にする
駒の交換のあと、そして相手の手に驚いたときには、四つを順に確かめましょう。答えを「銀得だが自玉は薄い」のような一文にし、それで方針を決めます。アプリの検討では、対局を通じた評価の動きが見られるので、自分の判断と照らし合わせるのに便利です。
判断を確かめよう。
コンピュータと一局指して検討を開けば、形勢がどこで動いたかがグラフで見られます。そのとき自分がどう思っていたかと比べてみましょう。