狙い
早石田は、石田流へ攻めながら入る指し方です。▲7六歩△3四歩のあと、先手は角道を止めずに三手目にもう一度同じ歩を突いて▲7五歩とし、五手目に飛車を7八へ振ります。双方の角道が開いたままなので、角はいつ交換になってもおかしくありません。先手の狙いは▲7四歩からの角打ちで、後手の形に応じて9五、7七、5五のどこかに打ちます。
相手が正しく受けないと決まるはめ手がいくつも知られており、奇襲戦法に数える解説もあります。仕掛ける前に先手は▲4八玉と上がり、9五に打たれた後手の角から王手がかかる筋を避けておきます。1971年の名人戦で升田幸三がこのはめ手を本格的な戦法に仕立て、▲4八玉の形はしばしば升田式石田流と呼ばれます。
下の手順はいちばん有名なはめ手で、後手が早く飛車先の歩を交換して7四の歩を取ると、▲9五角が王手飛車になります。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
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指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。このあとのすべてが、この一手を前提にしています。 |
| 3 | ▲7五歩 7f7e | △8四歩 8c8d | 同じ歩をもう一度、角道を開けたまま7五へ。戦法の名前になっている一手です。 後手は飛車先の歩を突きます。後手が早石田を歓迎する手とされます。 |
| 5 | ▲7八飛 2h7h | △8五歩 8d8e | 飛車を歩の後ろの7筋へ振ります。 後手は8五へ伸ばします。 |
| 7 | ▲4八玉 5i4h | △8六歩 8e8f | 玉が、9五に打たれた後手の角から王手がかかる斜めの筋を外れます。 早すぎる飛車先の歩交換。悪手とされます。 |
| 9 | ▲同歩 8g8f | △同飛 8b8f | 先手が取ります。 後手の飛車が取り返して8六へ。 |
| 11 | ▲7四歩 7e7d | △同歩 7c7d | 仕掛けの▲7四歩。 後手が取ると、後手玉への斜めの筋の途中にある7三が空きます。 |
| 13 | ▲2二角成 8h2b+ | △同銀 3a2b | 先手が角を交換します。 銀で取り返します。 |
| 15 | ▲9五角 B*9e | ▲9五角が8四、7三、6二を通して5一の玉に王手をかけ、同時に8六の飛車に当たります。王手飛車です。 |
駒組みのあとの指し方
- ▲7五歩は、後手が△3四歩で角道を開けてから。角道が閉じていれば、攻めの的がありません。
- 飛車を7八へ振り、仕掛ける前に玉を4八へ上がります。
- ▲7四歩で仕掛けます。後手が取れば2二で角を交換し、両取りになる地点に角を打ちます。後手の飛車が8六に来ていれば9五、まだ8二にいれば5五です。
- 後手が落ち着いて受けてきたら、代わりに石田流の本組みを目指します。飛車を7六へ、右に美濃囲い。石田流のページのとおりです。
気をつけること
- 四手目の△4二玉。受ける側の出典はこれを定跡の応手とし、そのあと角交換から△4五角と打たれると、6七と2七を同時に狙われます。
- △4二玉を入れずに△4五角と打たれたとき。▲7六角と打てば、6七を受けながら▲4三角成をねらえます。
- ▲7四歩に△6二銀から△7二金と受けられる手順。ja.wikipedia は、後手に必要な受けとしてこれを挙げています。
- 旧型の評価。ja.wikipedia によれば受け方が早くから研究され、攻める側が不利とされたため、升田式石田流が現れるまでプロではほとんど指されなくなりました。
どんな相手に指すか
△3四歩で角道を開け、△8四歩と飛車先を突いてくる居飛車です。この二手は、後手が戦いを受けて立つ意思表示と読まれています。
四手目に△4二玉、△6二銀、△5四歩と来られたら、出典の多くは▲6六歩と角道を止めて、ゆっくりした石田流に切り替える指し方を示しています。石田流に対する古くからの有名な対策は棒金です。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。