狙い
毎局同じような将棋を指したい人のための、村田顕弘のシステムです。▲7六歩を突かないので、後手は角換わりにも横歩取りにも持ち込めません。九手の基本図では、二枚の銀が八段目に並び、左の金が7八、中央の歩が5六にあります。そこから先手は都合のよいときに角道を開けるか、角を7九に引き、後手の形に応じて銀を4六、5六、6六のどこかに出します。
ここの手順は、村田の2023年の著書を紹介したマイナビニュースの記事が初手から示す基本図で、ja.wikipedia も同じ手順を挙げています。記事のその後の変化は、手順の示されていない別の図から始まるので、ここでは並べずに指し方で説明します。第51回将棋大賞で、2024年に発表された升田幸三賞特別賞を受賞しました。
ja.wikipedia によれば、嬉野流から派生したと言われています。将棋ウォーズは、2023年の王座戦の対局で、村田が新しい形で藤井聡太をあと一歩まで追い詰めたことに触れています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | まず飛車先の歩を突きます。 後手も飛車先の歩を突きます。 |
| 3 | ▲4八銀 3i4h | △8五歩 8d8e | 右の銀を4八へ。 後手の飛車先の歩が8五へ。 |
| 5 | ▲7八金 6i7h | △7二銀 7a7b | 左の金を7八へ。後手の飛車先の歩が来る前に、8七の歩を守ります。 後手は右の銀を7二へ。 |
| 7 | ▲6八銀 7i6h | △3四歩 3c3d | 左の銀を6八へ。 後手が角道を開けます。 |
| 9 | ▲5六歩 5g5f | ▲5六歩。まだ▲7六歩は突かず、角道は閉じたままなので、角換わりにも横歩取りにもなりません。これが基本図です。 |
駒組みのあとの指し方
- 飛車先の歩、右の銀を4八、左の金を7八、左の銀を6八、そして▲5六歩。角の前の歩はそのままにします。
- 居飛車の矢倉模様に対しては、記事は玉を6九に寄り、▲3六歩を突き、後手の角が4二に引いてから角道を開けます。
- それから右の銀を4六に出して▲3五歩の仕掛けをねらいます。
- 後手が早く△4四歩と突いていれば、代わりに▲5五歩と5筋の位を取って後手の角を押さえ込みます。
気をつけること
- 後手の飛車先の歩。7八の金が8七を守っていて、8六で交換されたら記事は▲8七歩と打ちます。
- ▲7六歩の時期。早く角道を開けると、このシステムが避けたい戦型に持ち込まれます。
- 変化の多さ。変化が多いので習得には時間がかかる、と記事は書いています。
どんな相手に指すか
決定的な対策を示した資料はありません。記事によれば、村田の著書は後手の急戦への対策を中心に書かれていて、矢倉模様の後手に対する二つの変化のうち一つ目を、早くも先手成功の図としています。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。