狙い
この戦型の名前は一手そのものです。盤の横に受けなしで立っている歩を、飛車が取る手です。成立するのは直前の経緯のおかげです。双方の飛車先の歩が交換され、後手は8筋の取り合いに二手を使い、先手はまさにその時間で横の歩を取ります。つまり先手は一歩得で駒組みが遅れ、後手は一歩損で飛車が開いた筋に出ていて、どちらの玉も動いていません。最後の一点は見落としではなく、この戦型の中身です。囲う手数は、双方にありません。将棋でもっとも激しい戦型で、なかの作戦はどれも、たった一手の名前で呼ばれています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △8五歩 8d8e | |
| 7 | ▲7八金 6i7h | △3二金 4a3b | 金が角の頭を守ります。筋が開く前に、双方これを入れておきたいところです。 |
| 9 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 最初の仕掛け。 |
| 11 | ▲同飛 2h2d | △8六歩 8e8f | 飛車で取って、先手が一歩得。 |
| 13 | ▲同歩 8g8f | △同飛 8b8f | |
| 15 | ▲3四飛 2d3d | △3三角 2b3c | 横歩。この戦型の名前になった一手で、後手が8筋に二手を使ったからこそ成立します。 |
| 17 | ▲3六飛 3d3f | △2二銀 3a2b | 安全な升へ。この3fの飛車が、みんなが研究している形です。 |
| 19 | ▲8七歩 P*8g | △8五飛 8f8e | 持ち駒の歩で、8fの飛車を追います。 |
駒組みのあとの指し方
- 一つの手順をきちんと覚えるか、別の戦型を指すこと。半端な記憶がその場で負けにつながるのは、ここに並べた戦法のなかでこれだけです。
- 何かが開く前に角の頭を守ります。囲いのない局面では、7gと3cが勝負の大半を決めます。
- 得した歩は欲張らず、手得に使います。取った一歩は一手の値打ちで、二枚目はたいてい二手かかります。
- 局面が落ち着いたら玉をどこかへ入れます。この戦型を落とすのは、双方の飛車が働いているのに5iに残った玉です。
気をつけること
- 双方の角の打ち込み。歩が交換されると双方の斜めが開き、双方たいてい歩を持っています。
- 3fの飛車です。安全に見えて、この戦型の定跡の半分はこの駒を狙っています。
- 自分の手順。ここでの二手の入れ替えは、緩手ではなく飛車を落とす手になりがちです。
どんな相手に指すか
相居飛車で、しかも双方の合意が必要です。後手は何か所かで避けられますし、たいていは避けるべきです。試す前に何局か並べること。ここは初級者の戦型ではなく、プロの戦場です。
ボット相手に指してみる。
アプリのボットは定跡どおりに指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。