狙い
振り飛車に対するふつうの急戦は、後手の美濃囲いよりずっと薄い舟囲いから仕掛けます。左美濃急戦では、先手がまず左側に自分の美濃を作ります。天守閣美濃です。玉は角の上の8七、銀は7八、金は6九と5八。そのうえで舟囲いのときと同じ攻めを仕掛けます。
後手と同じくらい堅い囲いなら、同じ手順でも先手がよくなる、と ja.wikipedia は書いています。ここでは右の銀が4六に上がり、3筋の歩で仕掛け、飛車を3八に回し、角を交換します。資料は最後の局面を形勢不明としています。舟囲いなら後手よしになるところで、横からの攻め合いになれば8七の玉が勝つことが多い、とも書いています。
名前は将棋ウォーズのもので、矢倉を攻める居角左美濃急戦とは別の戦法です。両者の指し手を示す資料は一つで、ja.wikipedia の図の先手の駒は二十九手目の配置と同じです。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △4四歩 4c4d | 飛車先の歩を突きます。 後手は△4四歩で角道を止めます。 |
| 5 | ▲4八銀 3i4h | △4二飛 8b4b | 右の銀を4八へ。 後手は4二へ振ります。四間飛車です。 |
| 7 | ▲6八玉 5i6h | △9四歩 9c9d | 玉を6八へ。 後手は端歩を突きます。 |
| 9 | ▲9六歩 9g9f | △7二銀 7a7b | 先手も応じます。 後手の銀は7二へ。 |
| 11 | ▲7八玉 6h7h | △6二玉 5a6b | 玉を7八へ。 後手の玉は6二へ。 |
| 13 | ▲5六歩 5g5f | △3二銀 3a3b | 5筋の歩を突きます。 後手は左の銀を3二へ。 |
| 15 | ▲5八金右 4i5h | △7一玉 6b7a | 右の金を5八へ。 後手の玉は7一へ。 |
| 17 | ▲5七銀 4h5g | △4三銀 3b4c | 右の銀を5七へ。この手だけなら、ふつうは持久戦の構えです。 後手の銀は4三へ。角頭を守る定番の形です。 |
| 19 | ▲3六歩 3g3f | △8二玉 7a8b | 3筋の歩を突きます。 後手の玉は8二へ。 |
| 21 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | 飛車先の歩を2五へ。 後手の角は3三へ。 |
| 23 | ▲8六歩 8g8f | △5二金左 4a5b | ▲8六歩。天守閣の土台です。 後手は金を5二へ。 |
| 25 | ▲8七玉 7h8g | △6四歩 6c6d | 玉が角の上の8七に上がります。 後手は△6四歩。 |
| 27 | ▲7八銀 7i7h | △7四歩 7c7d | 左の銀を7八へ。天守閣美濃の完成です。 後手は△7四歩。 |
| 29 | ▲4六銀 5g4f | △5四歩 5c5d | 右の銀が4六に出ます。 後手は5筋の歩を突きます。 |
| 31 | ▲3五歩 3f3e | △3二飛 4b3b | ▲3五歩と仕掛けます。 後手は定番の△3二飛。 |
| 33 | ▲3四歩 3e3d | △同銀 4c3d | さらに▲3四歩。 後手の銀が取ります。 |
| 35 | ▲3八飛 2h3h | △4五歩 4d4e | 飛車を3八へ。 後手の△4五歩が4六の銀に当たり、後手の角道も開きます。 |
| 37 | ▲3三角成 8h3c+ | △同飛 3b3c | すぐに角を交換します。 後手の飛車が取り返します。 |
| 39 | ▲5七銀 4f5g | △4三銀 3d4c | 銀は5七に引きます。 後手の銀は4三に戻ります。 |
| 41 | ▲3三飛成 3h3c+ | △同桂 2a3c | 飛車を交換します。先手が3三で取って成ります。 後手の桂が龍を取ります。 |
| 43 | ▲3四歩 P*3d | △同銀 4c3d | 3四に歩を打ち、桂に当てます。 後手の銀が取ります。 |
| 45 | ▲3一飛 R*3a | △4三銀 3d4c | ▲3一飛と打ちます。 後手の銀は4三に戻ります。 |
| 47 | ▲1一飛成 3a1a+ | △2七飛 R*2g | 飛車が1一の香を取って成ります。 後手は2七に飛車を打ちます。資料は形勢不明としています。舟囲いなら後手よしですが、8七の玉は攻め合いに勝つことが多い、と書いています。 |
駒組みのあとの指し方
- 四間飛車に対するふつうの居飛車と同じように始めます。玉を7八、右の金を5八、右の銀を5七へ。後手の端歩には端歩で応じます。
- 後手の銀が4三に来るのを待ってから、▲3六歩と▲2五歩を突きます。
- 囲いを作ります。▲8六歩、▲8七玉、▲7八銀。
- ▲4六銀から▲3五歩。△3二飛、▲3四歩、△同銀、▲3八飛、△4五歩のあと、3三で角を交換します。
- 銀を5七に戻し、飛車で3筋を突破します。
気をつけること
- 後手の銀が3二のままの形。▲4六銀には△4五歩があるので、代わりに▲5五銀と出て四枚美濃に組み替えます。
- ▲3八飛のあとの後手の△4五歩。銀に当たり、後手の角道も開きます。すぐに角を交換します。
- 玉頭への反撃。8七の玉の頭に8六の歩があり、後手はすでに7筋と6筋の歩を突いています。
どんな相手に指すか
美濃囲いで銀を4三に置いた四間飛車です。後手は仕掛けに△3二飛と△4五歩で応じるか、銀を3二に置いたままにして▲4六銀を防ぎます。のちに藤井システムが、この種の左美濃を組み上がる前に攻めて大打撃を与えた、と資料は書いています。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。