狙い
4六銀左戦法は、舟囲い急戦、つまり後手の美濃囲いが固まる前に居飛車が四間飛車に戦いを挑む指し方の一つです。先手は数手で舟囲い(玉7八、金5八・6九)を作り、左の銀を6八から5七へ出します。急戦で最もよく使われる形だと ja.wikipedia は書いています。
この5七銀左型の局面(下の二十三手目)は四つの指し方の共通の出発点で、どれを選ぶかは後手の銀の位置で決まります。ここでのように銀が4三にいれば、左の銀は4六まで進み(斜め棒銀)、3筋の歩で3三の角頭を攻めます。4三銀に対するもう一つの指し方が4五歩早仕掛けです。銀が3二のままなら、山田定跡か鷺宮定跡です。
どれでも囲いは後手の美濃囲いのほうが堅いので、攻めは決めきらなければなりません。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 後手が角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △4四歩 4c4d | △4四歩で止めます。振り飛車が来ます。 |
| 5 | ▲4八銀 3i4h | △4二飛 8b4b | 後手が4二へ振ります。四間飛車です。 |
| 7 | ▲6八玉 5i6h | △7二銀 7a7b | 先手玉は左へ。 |
| 9 | ▲7八玉 6h7h | △9四歩 9c9d | 玉が7八に着きます。 |
| 11 | ▲9六歩 9g9f | △3二銀 3a3b | 後手の左の銀が3二へ。 |
| 13 | ▲5六歩 5g5f | △6二玉 5a6b | 5筋の歩を突きます。 |
| 15 | ▲5八金右 4i5h | △7一玉 6b7a | 右の金を5八へ。舟囲いの完成です。 |
| 17 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | 飛車先の歩を2五へ。後手の角は2四を守らなければなりません。 3三から守ります。 |
| 19 | ▲6八銀 7i6h | △8二玉 7a8b | 左の銀が6八へ動き出します。 後手玉が8二に着きます。 |
| 21 | ▲5七銀左 6h5g | △5二金左 4a5b | 左の銀を5七へ。 後手の左の金が5二へ。美濃囲いの完成です。 |
| 23 | ▲3六歩 3g3f | △4三銀 3b4c | 3筋の歩を突きます。四つの指し方が分かれる5七銀左型です。 後手の銀が4三へ上がります。 |
| 25 | ▲4六銀 5g4f | △5四歩 5c5d | そこで左の銀は4六へ。斜め棒銀です。 後手は△5四歩。 |
| 27 | ▲3五歩 3f3e | △3二飛 4b3b | ▲3五歩と仕掛けます。 後手は取らずに飛車を3二へ回します。 |
| 29 | ▲3四歩 3e3d | △同銀 4c3d | 歩をさらに3四へ。 後手が銀で取ります。 |
| 31 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 飛車を動かす前に、先に2筋の歩を突き捨てます。 後手が取ります。 |
| 33 | ▲3八飛 2h3h | △4五歩 4d4e | ここで飛車を3八へ。 後手が△4五歩と反撃します。4六の銀に当て、後手の角道も開きます。 |
| 35 | ▲3三角成 8h3c+ | △同飛 3b3c | 先手が角を交換します。 後手の飛車が取り返します。角がなくなり、先手が角を打つ番です。出典はここで分かれます。 |
駒組みのあとの指し方
- 舟囲いに組みます。玉を6八、7八へ、右の金を5八へ。7筋、5筋、3筋の歩と、飛車先の歩を2五まで突き、後手の角を3三に釘付けにします。
- 左の銀を6八、5七へ。四つの指し方に共通の出発点です。
- 後手の銀が4三なら、銀を4六へ進めて▲3五歩。
- 飛車を3八へ回す前に2筋の歩を突き捨て、△4五歩と来たら角を交換して、角を打ち直します。
気をつけること
- 後手の△4五歩。どの指し方でも定番の反撃で、4六の銀に当てながら後手の角道を開けます。ここでは、3四の銀を飛車で取ってはいけません。△8八角成と王手で取られ、飛車を失います。
- 囲いの差。後手の美濃囲いのほうが堅いので、居飛車がやや良い程度では実戦で勝ちきるのは難しい、と ja.wikipedia は書いています。
どんな相手に指すか
後手番の、銀を4三に上げた四間飛車と美濃囲いです。この戦型で後手は飛車を3二へ回し、△4五歩で反撃します。
そのあとの角打ちからの形勢は出典によって違い、ゼロから始める将棋研究所は先手がやや指しやすいとし、長い手順を並べる二つの出典は後手を持っています。これらの急戦に対して、持久戦を選ぶなら居飛車穴熊です。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。