狙い
4六銀右戦法は、左ではなく右の銀を使う舟囲い急戦です。玉を7八にした舟囲いに組み、右の銀を4八、5七、4六と進め、▲3五歩の仕掛けで3三の後手の角をねらいます。左の銀は7九に残るので、4六銀左戦法より玉が堅く、攻めも二手早くなります。その代わり右側は薄くなります。銀が4六に出るのは、後手の銀が4三にいるときだけです。
ja.wikipedia は、銀・桂・飛車で3三を攻める筋が1804年の『将棋絹篩』にあるとし、塚田泰明が1984年から現代の形を得意にしたと書いています。のちに藤井システムへの対策として再び使われました。両者の指し手を示す資料は一つで、二十三手目の局面は ja.wikipedia の図と同じです。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △4四歩 4c4d | 飛車先の歩を突きます。 後手は△4四歩で角道を止めます。 |
| 5 | ▲4八銀 3i4h | △4二飛 8b4b | 右の銀を4八へ。 後手は4二へ振ります。四間飛車です。 |
| 7 | ▲6八玉 5i6h | △9四歩 9c9d | 玉を6八へ。 後手は端歩を突きます。 |
| 9 | ▲9六歩 9g9f | △7二銀 7a7b | 先手も応じます。 後手の銀は7二へ。 |
| 11 | ▲7八玉 6h7h | △3二銀 3a3b | 玉を7八へ。 後手は左の銀を3二へ。 |
| 13 | ▲5六歩 5g5f | △4三銀 3b4c | 5筋の歩を突きます。 後手の銀は4三へ。この銀に対して、右の銀が4六へ向かいます。 |
| 15 | ▲3六歩 3g3f | △6二玉 5a6b | 3筋の歩を突きます。 後手の玉は6二へ。 |
| 17 | ▲5八金右 4i5h | △7一玉 6b7a | 右の金を5八へ。舟囲いです。 後手の玉は7一へ。 |
| 19 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | 飛車先の歩を2五へ。 後手の角は3三へ。 |
| 21 | ▲5七銀 4h5g | △8二玉 7a8b | 右の銀を5七へ。左の銀は7九のままです。 後手の玉は8二へ。 |
| 23 | ▲4六銀 5g4f | △5二金左 4a5b | 銀を4六へ。左の銀より二手早く着きます。 後手は金を5二へ。資料によると最も普通の応手です。 |
| 25 | ▲3五歩 3f3e | △3二飛 4b3b | ▲3五歩と仕掛けます。 後手の飛車は3二へ。 |
| 27 | ▲3四歩 3e3d | △同銀 4c3d | さらに▲3四歩。 後手の銀が取ります。 |
| 29 | ▲3五歩 P*3e | △4三銀 3d4c | 3五に歩を打ち、銀に当てます。すぐに飛車を回さず、筋を押さえます。 後手の銀は4三に戻ります。 |
| 31 | ▲3七銀 4f3g | △4二角 3c4b | 銀を3七に引き、3六からもう一度出直します。 後手の角は4二へ。資料によると有力な受けです。 |
| 33 | ▲3六銀 3g3f | △3四歩 P*3d | 銀を3六へ。 後手は3四に歩を打ちます。 |
| 35 | ▲3八飛 2h3h | △3五歩 3d3e | 銀の後ろの3八に飛車を回します。 後手は3五の歩を取ります。 |
| 37 | ▲同銀 3f3e | △1五角 4b1e | 銀で取り返します。 後手の角は1五に出ます。 |
| 39 | ▲3六飛 3h3f | △3四歩 P*3d | 飛車を3六に上げます。 後手は3四に歩を打ち、銀に当てます。 |
| 41 | ▲4四銀 3e4d | △同銀 4c4d | 銀を4四に出ます。 後手の銀が取ります。 |
| 43 | ▲同角 8h4d | △3五銀 S*3e | 角で4四を取り返します。 後手は3五に銀を打ち、飛車に当てます。 |
| 45 | ▲同飛 3f3e | △同歩 3d3e | 飛車で銀を取ります。 後手の歩が飛車を取ります。 |
| 47 | ▲1一角成 4d1a+ | 角が1一の香を取って成ります。資料は先手有利としています。 |
駒組みのあとの指し方
- 舟囲いに組みます。玉を7八、右の金を5八へ。後手の端歩には端歩で応じます。
- 後手の銀が4三に来たら、▲3六歩と▲2五歩を突き、右の銀を5七から4六へ。
- ▲3五歩と仕掛けます。後手が飛車を3二に回して3四で取り返したら、もう一度3五に歩を打ちます。
- 銀を3七に引き、飛車を後ろに置いて3六から出直します。
- 後手の3筋の反撃には、4四と3五で駒を交換し、角を1一に成ります。
気をつけること
- 後手の銀が3二のままの形。右の銀の4六は、銀が4三にいるときにだけ成立します。3二の銀が相手なら、▲3七桂と▲2六飛をめざします。
- 薄い右側。▲3五歩、△3二飛、▲3四歩、△同銀のあと、すぐに飛車を3八に回してはいけません。資料はまず3五に歩を打って筋を押さえています。
- 後手の△4五歩。4六の銀に当たり、後手の角道も開きます。
- 藤井システム。玉を囲っていない相手には、同じ銀の攻めを早めに仕掛けることになり、細かい手順が違います。
どんな相手に指すか
美濃囲いで銀を4三に置いた四間飛車です。後手のふつうの応手は△5二金左と△3二飛で、資料はほかに△5四歩、△3二金、△4二角と引いてから3四に歩を打つ形も示しています。
藤井システムの後手は玉を6二に置いたまま端歩を突きますが、のちにそれをとがめるためにこの攻めが使われました。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。