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戦法 · 米長流急戦矢倉

米長流急戦矢倉

矢倉に対してカニ囲いに組み、角道を開けたまま、先手玉が固まる前に△6四歩、△7三桂、△6五歩と6筋から攻めます。

このページの内容 5狙い組み方駒組みのあとの指し方気をつけることどんな相手に指すか

居飛車(後手番の急戦矢倉)・囲いはカニ囲い(後手)・

53手目までの米長流急戦矢倉123456789ihgfedcba 香香 飛飛 玉玉 桂桂 香香 銀銀 金金 金金 歩歩 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 金金 歩歩 歩歩 馬馬 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 金金 銀銀 飛飛 香香 桂桂 王王 桂桂 香香 歩歩 3後手の持ち駒 角角 銀銀 桂桂 歩歩 先手の持ち駒
形。定跡を53手進めた米長流急戦矢倉。要になるマスに丸をつけてあります。後手の戦法なので、このページの盤はすべて後手から見た向きで、後手が手前です。双方の指し手を並べてあり、持ち駒も盤の上下に書いてあります。

狙い

後手番の戦法です。米長流急戦矢倉は、矢倉で後手が待たずに主導権を取る指し方の一つです。ja.wikipedia によると、米長邦雄が得意にし、中原誠から十段を奪ったのをきっかけに、1980年代半ばにプロの間で大流行しました。

玉を4一、金を3二と5二、銀を4二と6二に置くカニ囲いに組み、角は2二に置いたまま大きな斜めをにらませ、△6四歩と突き、△7三桂と跳ねます。攻めは6筋で、8筋の歩と桂も加わり、突破して馬を作るのがねらいです。先手の対策は時間をかけて見つかりました。

早めの▲7九角が有効とわかり、プロは指さなくなった、と ja.wikipedia は書いています。この手順はその受けを示すものです。後手は全力で攻め、先手は▲6六歩と打って受け止めます。初手からの手順の唯一の資料はこれを好手とし、同じ局面が2004年の竜王戦七番勝負第1局に現れ、先手が勝ったとしています。

組み方

双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。

初形123456789ihgfedcba 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 王王 金金 銀銀 桂桂 香香 後手の持ち駒先手の持ち駒
初形

一手ずつ進めるか、再生を押してください。

指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。

全手順と、その理由
#先手後手狙い
1▲7六歩 △8四歩 先手が角道を開けます。 飛車先の歩を突きます。
3▲6八銀 △3四歩 先手は左の銀を6八へ。 角道を開けます。この角道は開けたままにします。
5▲6六歩 △6二銀 先手は▲6六歩で角道を止めます。矢倉です。 右の銀を6二へ。
7▲5六歩 △5四歩 先手は5筋の歩を突きます。 5筋の歩を突きます。
9▲4八銀 △4二銀 左の銀を4二へ。
11▲7八金 △3二金 金を3二へ。
13▲6九玉 △4一玉 先手の玉は6九へ。 玉を4一へ。
15▲5八金 △7四歩 7筋の歩を突きます。
17▲6七金右 △8五歩 飛車先の歩を8五まで伸ばします。
19▲7七銀 △6四歩 先手の銀は7七へ。 △6四歩。攻めるのは6筋です。
21▲2六歩 △5二金 右の金を5二へ。カニ囲いの完成です。玉4一、金3二・5二、銀4二・6二。
23▲2五歩 △7三桂 先手は飛車先の歩を2五まで伸ばします。 角道を開けたまま△7三桂。歩と桂で6筋をねらいます。
25▲7九角 △5三銀左 先手は角を7九に引きます。ja.wikipedia の基本形です。 左の銀を5三へ。
27▲3六歩 △6五歩 先手は▲3六歩。 △6五歩と仕掛けます。
29▲同歩 △8六歩 先手が取ります。 8筋の歩も加えて△8六歩。
31▲同歩 △6五桂 先手が取ります。 桂で6五を取ります。
33▲6六銀 △8六飛 先手は銀を6六に上げ、桂に当てます。 飛車で8六を取ります。
35▲8七歩 △8一飛 先手は8七に歩を打ち、飛車に当てます。 飛車は8一に引きます。
37▲2四歩 △同歩 先手は飛車先の歩を交換し、 取ります。
39▲同角 △2六歩 7九の角が2四で取り返します。 △2六歩と、飛車の筋の、先手の角の後ろに歩を打ちます。
41▲5九銀 △7五歩 先手の銀は5九に引きます。 △7五歩。
43▲4六角 △6六角 先手の角は4六に出て、後手の攻めをにらみます。 角で6六の銀を取ります。
45▲同金 △5七銀 先手の金が取ります。 △5七銀と打ちます。
47▲6五金 △4六銀成 先手の金はさらに6五へ。 銀が4六の角を取って成ります。
49▲同歩 △4七角 先手が取ります。 △4七角と打ちます。
51▲5八銀 △5六角成 先手の銀は5八へ。 角が5六で取って成ります。
53▲6六歩 先手は▲6六歩と打ちます。資料は、先手が勝った2004年のタイトル戦の一局に現れた好手としています。

駒組みのあとの指し方

  • カニ囲いに組みます。玉4一、金3二・5二、銀4二・6二。7筋の歩を突き、飛車先の歩を8五まで伸ばします。
  • 角を2二に置いたまま、△6四歩と突いて△7三桂と跳ねます。
  • 左の銀を5三に上げてから△6五歩と仕掛けます。
  • 先手が取ったら、△8六歩と△6五桂を加え、8六を飛車で取ります。
  • 先手の2筋の歩の交換には△2六歩と打ち、6六の銀を角で取って△5七銀と打ちます。

気をつけること

  • 先手の7九の角。2筋の歩を交換して4六に出て、後手の攻めをにらみます。
  • すぐに攻める形。資料のもう一つの手順は二十六手目にすぐ△6五歩と突くもので、後手が勝つのは、先手がのちに7五の歩を取ってしまうからです。先手の正しい応手は▲3六歩だ、と資料は示しています。
  • 自玉。急戦矢倉は後手玉が薄く、先手が攻めをしのぐと反撃は速くなります。
  • もう一つの形。ja.wikipedia の矢倉囲いの記事には、銀を4四に出し、△5五歩と△6五歩で攻める1986年の米長流の形が載っています。のちの藤森哲也の形は飛車を8三に置きます。

どんな相手に指すか

矢倉に組む先手は、玉を矢倉に入れず6九に置き、早めに角を7九に引いて2筋の歩を交換し、6筋の仕掛けは取って応じます。この手順の全力の攻めに対して、先手は駒を返しながら▲6六歩を見つけます。

2010年代後半には、後手の居角左美濃急戦に対して先手がこの攻めを使うこともありました。

コンピュータ相手に指してみる。

アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。

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