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戦法 · 阿久津流急戦矢倉

阿久津流急戦矢倉

矢倉に対し、角道を開けたまま5筋の歩を角で交換し、角を7三、銀を6四に置いて△6五歩をねらいます。

このページの内容 5狙い組み方駒組みのあとの指し方気をつけることどんな相手に指すか

居飛車(後手番の急戦矢倉)・囲いなし(玉は薄いまま)・

44手目までの阿久津流急戦矢倉123456789ihgfedcba 香香 金金 玉玉 桂桂 香香 銀銀 金金 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 飛飛 歩歩 歩歩 桂桂 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 金金 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 金金 銀銀 飛飛 香香 桂桂 王王 桂桂 香香 角角 歩歩 3後手の持ち駒 角角 銀銀 先手の持ち駒
形。定跡を44手進めた阿久津流急戦矢倉。要になるマスに丸をつけてあります。後手の戦法なので、このページの盤はすべて後手から見た向きで、後手が手前です。双方の指し手を並べてあり、持ち駒も盤の上下に書いてあります。

狙い

後手番の戦法です。阿久津流急戦矢倉は、ゆっくりした相矢倉を避ける後手の指し方の一つです。角道を開けたまま5筋の歩をぶつけます。先手が取り、角で取り返すと角は5五に立ち、そこから7三に引くか、中原流のように2二に引きます。

銀を中央に出し、△6五歩で仕掛けるのがねらいで、ja.wikipedia によると先手の応手しだいでは攻めをやめて持久戦にすることも多い戦法です。名前は阿久津主税から来ています。ja.wikipedia は中原流、郷田流、渡辺流とも呼ばれるとしていますが、ここでは将棋ウォーズにならい、中原流を別の戦法として扱います。

有名になったのは2008年の竜王戦七番勝負で、カド番に追い込まれた渡辺明が第6局と第7局でこの戦法を採用し、どちらの局でも新手を出して二連勝しました。最初の二十二手の資料は一つです。

二十五手目からは第6局の渡辺の新手、静かな△3一玉までをたどり、そのあとは、先手が▲6五歩と仕掛けた場合の例として ja.wikipedia が示す手順です。実戦ではこの仕掛けは指されませんでした。

組み方

双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。

初形123456789ihgfedcba 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 王王 金金 銀銀 桂桂 香香 後手の持ち駒先手の持ち駒
初形

一手ずつ進めるか、再生を押してください。

指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。

全手順と、その理由
#先手後手狙い
1▲7六歩 △8四歩 先手が角道を開けます。 飛車先の歩を突きます。
3▲6八銀 △3四歩 先手は左の銀を6八へ。 角道を開けます。この角道は開けたままです。
5▲6六歩 △6二銀 先手は角道を止めます。矢倉です。 右の銀を6二へ。
7▲5六歩 △5四歩 先手は5筋の歩を突きます。 5筋の歩を突きます。
9▲4八銀 △4二銀 左の銀を4二へ。
11▲5八金右 △3二金 金を3二へ。
13▲7八金 △4一玉 玉を4一へ。
15▲6九玉 △7四歩 7筋の歩を突きます。
17▲6七金右 △5三銀右 右の銀を5筋の歩の後ろの5三へ。
19▲2六歩 △8五歩 飛車先の歩を8五へ。
21▲7七銀 △5五歩 先手の銀は7七へ。 5筋の歩をぶつけます。
23▲同歩 △同角 先手が取ります。 角で取り返します。この戦法の基本形です。
25▲7九角 △7三角 先手は角を7九に引きます。 角を7三に引きます。
27▲4六角 △6四銀 先手の角は4六に出て、後手の角にぶつけます。 銀を6四へ。
29▲7五歩 △8四飛 先手は▲7五歩と突き、7四の歩に当てます。 飛車を8四に浮きます。
31▲7四歩 △同飛 先手が7四で取ります。 飛車で横から取り返します。
33▲5六歩 △3一玉 先手は5六に歩を打ちます。ここでは△5五歩が定跡とされていました。 渡辺の新手、△3一玉。歩は持ち駒のまま残します。
35▲6五歩 △同銀 ここからは ja.wikipedia の例です。先手が▲6五歩と仕掛けます。 銀で取ります。
37▲7三角成 △同桂 先手の角が7三の角を取って成ります。 桂で取り返します。
39▲6六歩 △5一金 先手は6六に歩を打ち、銀に当てます。 二つ目の静かな手、△5一金。
41▲6五歩 △同桂 先手の歩が6五の銀を取ります。 桂で6五を取り返します。
43▲7六銀 △5七歩 先手の銀は7六へ。 △5七歩と打ち、先手玉の横の5八に成るのをねらいます。

駒組みのあとの指し方

  • 薄く囲います。玉4一、金3二、銀4二。7筋の歩と飛車先の歩を8五まで突き、右の銀を5三へ。
  • 先手が矢倉の銀を7七に上げたら、△5五歩とぶつけて角で取り返します。
  • 角を7三に引き、銀を6四に出ます。
  • ▲7五歩には飛車を8四に浮き、7四を横から取ります。
  • △3一玉や△5一金のような小さな手で玉を整え、▲6五歩は取って応じます。

気をつけること

  • 従来の手。第6局の局面では△5五歩が定跡でした。渡辺の△3一玉は歩を持ち駒に残しました。
  • ▲7九角ではなく▲2五歩と突かれる形。先手の飛車が2筋で歩を交換してきます。第7局で渡辺はこれに対し△3三銀という新手を出しました。
  • 先手のほかの対策。ja.wikipedia は、▲2六歩の代わりに▲5七銀右と6筋を厚くする形と、▲7七銀の代わりに▲2五歩と飛車先の歩を交換する形を挙げています。
  • 自玉。薄いままです。攻めが止まったら持久戦に切り替えます。

どんな相手に指すか

矢倉をめざす先手は5筋の歩を取り、角を7九に引いてから7三の角にぶつけるように4六に出し、飛車側の7筋の歩を突き、5六に歩を打ち直します。歩を交換する前に、▲5七銀右や▲2五歩で本筋を避けることもできます。

コンピュータ相手に指してみる。

アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。

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