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戦法 · 中原流急戦矢倉

中原流急戦矢倉

5筋の歩を角で交換して角を2二に戻し、銀二枚を5四と4四に、金を6三に上げて、中央から先手を押さえ込みます。

このページの内容 5狙い組み方駒組みのあとの指し方気をつけることどんな相手に指すか

居飛車(後手番の急戦矢倉)・囲いなし(玉の横は金一枚)・

54手目までの中原流急戦矢倉123456789ihgfedcba 香香 玉玉 桂桂 香香 飛飛 金金 角角 桂桂 金金 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 角角 金金 銀銀 歩歩 桂桂 金金 飛飛 香香 桂桂 王王 香香 後手の持ち駒 歩歩 先手の持ち駒
形。定跡を54手進めた中原流急戦矢倉。要になるマスに丸をつけてあります。後手の戦法なので、このページの盤はすべて後手から見た向きで、後手が手前です。双方の指し手を並べてあり、持ち駒も盤の上下に書いてあります。

狙い

後手番の戦法です。中原流急戦矢倉は、中原誠が好んだ対矢倉の指し方です。5筋の歩を角で交換し、その角を2二に戻すところが阿久津流との違いです。銀は二枚とも5四と4四に進み、玉を守るはずの金まで6三に上がります。ja.wikipedia は、一気に攻め潰すよりも、金銀で先手を圧迫する厚みのある急戦だと説明しています。

代償は金一枚しかいない後手玉の薄さで、中原自身、玉は薄いが飛角金銀桂を総動員できる、と語っています。初手から定跡として手順を示す資料は見つからなかったため、この手順は実戦の一局です。2016年の第87期棋聖戦五番勝負第4局、永瀬拓矢対羽生善治の最初の五十四手で、カド番の棋聖、羽生がこの戦法を選んで勝ちました。

二つの資料がこの将棋を中原流と呼び、一つは阿久津流で始まって中原流に合流したとしています。

組み方

双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。

初形123456789ihgfedcba 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 王王 金金 銀銀 桂桂 香香 後手の持ち駒先手の持ち駒
初形

一手ずつ進めるか、再生を押してください。

指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。

全手順と、その理由
#先手後手狙い
1▲7六歩 △8四歩 先手が角道を開けます。 飛車先の歩を突きます。
3▲6八銀 △3四歩 先手は左の銀を6八へ。 角道を開けます。この角道は開けたままです。
5▲7七銀 △6二銀 先手は五手目に銀を7七へ。 右の銀を6二へ。
7▲5六歩 △5四歩 先手は5筋の歩を突きます。 5筋の歩を突きます。
9▲4八銀 △4二銀 左の銀を4二へ。
11▲5八金右 △3二金 金を3二へ。
13▲6六歩 △4一玉 先手は▲6六歩で角道を止めます。 玉を4一へ。
15▲6七金 △5三銀右 右の銀を5筋の歩の後ろの5三へ。
17▲2六歩 △5五歩 先手は飛車先の歩を突きます。 △5五歩と5筋の歩をぶつけます。
19▲同歩 △同角 先手が取ります。 角で5五を取り返します。
21▲2五歩 △5四銀 先手は飛車先の歩を2五まで伸ばします。 歩がいなくなった5四に銀を出ます。
23▲2四歩 △同歩 先手は飛車先の歩を交換し、 取ります。
25▲同飛 △2三歩 先手の飛車が取り返します。 △2三歩と打ち、飛車に当てます。
27▲2八飛 △7四歩 先手の飛車は2八に引きます。 7筋の歩を突きます。
29▲5七銀 △2二角 先手は右の銀を5七へ。 角を2二に戻します。中原流の目印です。阿久津流は7三に引きます。
31▲7八金 △5三銀 先手は金を7八へ。 左の銀を5三へ。
33▲6九玉 △6四歩 先手の玉は6九へ。 △6四歩。
35▲4六銀 △4四銀 先手の銀は4六へ。 二枚目の銀も4四に出ます。
37▲7九玉 △5二金 先手の玉は7九へ。 もう一枚の金を5二へ。
39▲6八銀 △6三金 先手は7七の銀を6八に引きます。 金を6三に上げます。銀が5四と4四、金が6三の中原流の形です。ja.wikipedia の矢倉囲いの記事は、この局面の後手側を図にしています。
41▲5六歩 △8五歩 先手は5六に歩を打ちます。 飛車先の歩を8五へ。
43▲7七角 △7三桂 先手の角は7七へ。 桂を7三へ。
45▲3六歩 △1四歩 先手は▲3六歩。 端歩を突きます。
47▲1六歩 △9四歩 先手も端歩で応じます。 反対の端歩も突きます。
49▲9六歩 △6五歩 先手もまた応じます。 △6五歩と6筋で仕掛けます。
51▲5七銀上 △5五歩 先手は6八の銀を5七に上げます。 △5五歩と打ちます。
53▲3七桂 △3五歩 先手は桂を3七に跳ねます。 そして△3五歩。資料の一つはこの局面を難解としています。この将棋は八十六手で後手が勝ちました。

駒組みのあとの指し方

  • 角道を開けたまま△5五歩と突き、角で取り返して、右の銀を5四に出ます。
  • 先手が2筋の歩を交換したら△2三歩と打ち、角を2二に戻します。
  • △6四歩と突き、もう一枚の銀を4四へ、金を6三に上げます。
  • 飛車先の歩を8五に伸ばし、桂を7三に跳ねてから、△6五歩と仕掛けます。
  • △5五歩、△3五歩と中央で押し続け、銀の厚みで圧迫します。

気をつけること

  • 自玉。玉の横には3二の金しかいません。先手の反撃が始まると、支える駒はほとんどありません。
  • 先手の五手目。五手目が▲6六歩なら、先に△8五歩と突いて先手に▲7七銀を指させる必要があり、この戦法は指しにくくなる、というプロの見方を資料の一つが紹介しています。
  • 先手の桂。▲3七桂のあと、4五に跳ねて後手の銀に当てることができ、この将棋でも数手後にそうなりました。資料の一つは中盤を難解としています。

どんな相手に指すか

先手は矢倉の金銀を組み、後手の角がいないうちに2筋の歩を交換して、右の銀を後手の銀と向かい合う4六に出します。この将棋で先手は左の銀を6八に引き、5六に歩を打ち、6筋の仕掛けには銀を5七に上げて桂を3七に跳ねて応じました。

コンピュータ相手に指してみる。

アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。

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