狙い
後手番の戦法で、横歩取りに対する古い指し方です。自分の飛車先の歩を交換せず、△2三歩と打って先手の飛車を追います。飛車が3四の歩を取ったら角を交換し、△2五角と打って飛車に当て、4七での成りをねらいます。資料はどれも、これはうまくいかないとしています。
先手は▲3二飛成と飛車を金と交換し、▲3八銀で4七を守り、森雞二の▲1六歩が入ると、2五の角には安全な逃げ場がなくなります。ja.wikipedia によれば、1930年ごろから木村義雄がこの形で横歩を取って好成績をあげたことで、横歩を取るのが普通になり、いまではプロの将棋に現れるのは数年に一度あるかないかです。
先手が横歩を取らずに飛車を引けば相掛かりになります。ここの手順は、どの資料もこの戦法について言うとおり先手が良い局面で終わります。最後の四手の資料は一つです。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 先手が角道を開けます。 角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | 先手が飛車先の歩を突きます。 飛車先の歩を突きます。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △8五歩 8d8e | 先手は▲2五歩。 △8五歩。 |
| 7 | ▲7八金 6i7h | △3二金 4a3b | 先手は▲7八金で角の頭を守ります。 △3二金で、こちらも角の頭を守ります。 |
| 9 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 先手が▲2四歩と突いて歩を交換しにきます。 取ります。 |
| 11 | ▲同飛 2h2d | △2三歩 P*2c | 先手は飛車で取り返します。 戦法の一手。こちらの歩を交換せず、飛車に当てて△2三歩と打ちます。 |
| 13 | ▲3四飛 2d3d | △8八角成 2b8h+ | 先手は▲3四飛と横歩を取ります。▲2六飛か▲2八飛と引けば相掛かりになります。 角を交換します。 |
| 15 | ▲同銀 7i8h | △2五角 B*2e | 先手は銀で取ります。 △2五角と打って飛車に当て、4七での成りをねらいます。 |
| 17 | ▲3二飛成 3d3b+ | △同銀 3a3b | 先手は▲3二飛成と飛車を金と交換します。 銀で取ります。 |
| 19 | ▲3八銀 3i3h | △3三銀 3b3c | 先手の▲3八銀が4七を守ります。 △3三銀で▲2二角を防ぎます。 |
| 21 | ▲1六歩 1g1f | △2四歩 2c2d | 森雞二の手、▲1六歩。角から1四を奪い、次の▲3五金で角を捕まえる狙いです。 △2四歩で角の退路を作ります。 |
| 23 | ▲3一金 G*3a | △2二飛 8b2b | 先手は▲3一金と打ち、2一の桂に当てます。 飛車が8二から2二に回って桂を守ります。これしか受けがありません。 |
| 25 | ▲2三歩 P*2c | △同飛 2b2c | ▲2三歩と打って飛車に当てます。 飛車で取ります。 |
| 27 | ▲3二角 B*3b | ▲3二角と打って飛車に当てます。資料は先手が良いとしています。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手の飛車が2四で取ったら、△2三歩と打って当てます。
- 飛車が3四の歩を取ったら、角を交換して△2五角と打ちます。
- 先手が飛車で金を取ったら銀で取り、その銀を3三に上がって▲2二角を防ぎます。
- 先手に捕まえられる前に、2五の角の退路を作ります。
気をつけること
- △2五角ではなく△4五角と打つと角を失います。▲3五飛から、△2七角成のあと▲1五角と打たれ、▲3六歩で馬が閉じ込められます。
- 森の▲1六歩と、その次の▲3五金。角が捕まります。
- △2四歩のあと、先手の▲3一金が2一の桂に当たります。飛車を2二に回すしかなく、▲2三歩と▲3二角が続きます。
- △2五角には▲3六飛と引く手もあります。ja.wikipedia は、そこでも先手が良さを保つ手として佐藤康光の▲2七角を挙げています。
どんな相手に指すか
先手は横歩を取り、角が2五に打たれたら飛車を金と交換し、▲3八銀で4七を守って端歩を突きます。▲2六飛か▲2八飛と引いて穏やかに指すこともでき、そうすれば相掛かりになります。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。