狙い
1980年代の初めに青野照市が考案し、米長邦雄がタイトル戦で繰り返し指して有名にした定跡です。二人とも東京都中野区の鷺宮に住んでいたことから、この名前がつきました。
4六銀左戦法と同じ5七銀左型から、後手の銀が3二のままのとき、先手はまず6九の金を6八へ上げて舟囲いを少し固め(舟囲いDX、玉7八、金6八・5八)、後手に△6四歩を突かせます。それから何より先に飛車を3八へ回し、そのあとで初めて3筋の歩を突きます。3三で角を交換したあとは、銀が3五へ進み、3四に打った歩が後手陣を押さえます。
この手順の最後の局面は先手が十分だと出典は評価しています。米長は、プロにとっても大変な定跡だと語っています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △4四歩 4c4d | |
| 5 | ▲4八銀 3i4h | △4二飛 8b4b | 後手が4二へ振ります。四間飛車です。 |
| 7 | ▲6八玉 5i6h | △7二銀 7a7b | |
| 9 | ▲7八玉 6h7h | △9四歩 9c9d | |
| 11 | ▲9六歩 9g9f | △3二銀 3a3b | |
| 13 | ▲5六歩 5g5f | △6二玉 5a6b | |
| 15 | ▲5八金右 4i5h | △7一玉 6b7a | 右の金を5八へ。舟囲いの完成です。 |
| 17 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | |
| 19 | ▲6八銀 7i6h | △8二玉 7a8b | |
| 21 | ▲5七銀左 6h5g | △5二金左 4a5b | |
| 23 | ▲3六歩 3g3f | △5四歩 5c5d | 5七銀左型です。 後手は△5四歩で待ちます。 |
| 25 | ▲6八金上 6i6h | △6四歩 6c6d | 金を6八へ上げます。舟囲いが舟囲いDXになります。 後手は△6四歩を突かされます。 |
| 27 | ▲3八飛 2h3h | △4三銀 3b4c | 飛車を3八へ。鷺宮定跡の基本図です。 後手は銀を4三へ上げます。 |
| 29 | ▲3五歩 3f3e | △同歩 3d3e | 仕掛けです。 後手が取ります。 |
| 31 | ▲4六銀 5g4f | △4五歩 4d4e | 銀を4六へ。 後手が△4五歩と反撃します。 |
| 33 | ▲3三角成 8h3c+ | △同桂 2a3c | 先手が角を交換します。 後手は桂で取り返します。 |
| 35 | ▲3五銀 4f3e | △2五桂 3c2e | 銀で3五の歩を取ります。 後手の桂が2五へ跳ねます。 |
| 37 | ▲3四歩 P*3d | △3二飛 4b3b | 3五の銀が支える3四へ歩を打ちます。 後手の飛車が3二へ。ja.wikipedia の定跡の本線の局面で、先手が十分です。 |
駒組みのあとの指し方
- 舟囲いと5七銀左型を作ります。
- 6九の金を6八へ上げ、後手の△6四歩を待ちます。
- 仕掛ける前に飛車を3八へ回します。
- ▲3五歩、▲4六銀と進め、△4五歩には角を交換し、銀を3五へ、3四に歩を打ちます。
気をつけること
- 後手の待ち方。△6四歩ではなく△1二香が後手の最善の待ち方だと将棋大図書館は書いていて、その変化はここに並べた手順ではありません。
- 後手の△4五歩。どの指し方でも定番の反撃で、4六の銀に当てながら後手の角道を開けます。
- 米長の言葉どおり、プロにとっても大変な定跡です。
どんな相手に指すか
銀を3二に置いたまま△5四歩と△6四歩で待つ、美濃囲いの四間飛車です。山田定跡と違って、先後どちらの四間飛車に対しても使える、と ja.wikipedia は書いています。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。