狙い
後手番の戦法です。先手が升田式石田流で指す角道オープンの石田流を後手でも指したいところですが、一手遅れでまっすぐ向かうのは危険です。いきなり飛車を3二へ振ると、先手に角を交換され、4三と8三を同時に狙う▲6五角を打たれるからです。島朗の3・4・3戦法をもとに戸辺誠が考えた答えは、まず4筋で止まることでした。
飛車が4二にいれば4三は守られています。次に玉を7二まで寄って8三を守り、そこで初めて飛車を3二へ回し、△3五歩、△3四飛と続けます。一手損になるが升田式石田流の将棋になる、と ja.wikipedia は書いています。△3五歩を飛車を振ったあとまで保留するので、先手が角道を止めれば普通の三間飛車を選ぶこともできます。
手順は戸辺の2013年の著書によるゼロから始める将棋研究所のもので、十一手目から十四手目をこの順で示した資料はこれだけです。目指す囲いは美濃囲いですが、手順は玉が7二にいるところで終わります。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 先手が角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △4二飛 8b4b | 先手は飛車先の歩を突きます。居飛車です。 「4」です。角道を開けたまま、飛車を4二で止めます。▲6五角に備えて4三を守っています。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △6二玉 5a6b | 先手は2五まで伸ばします。 玉が右へ歩き始めます。 |
| 7 | ▲6八玉 5i6h | △7二玉 6b7b | 先手の玉が6八へ。 玉が7二に着き、8三を守ります。 |
| 9 | ▲7八玉 6h7h | △3二飛 4b3b | 先手の玉は7八へ。 「3」です。ここで飛車を3二へ回します。 |
| 11 | ▲4八銀 3i4h | △3五歩 3d3e | 先手の右の銀が4八へ。 保留していた3筋の歩を3五へ突きます。 |
| 13 | ▲4六歩 4g4f | △3四飛 3b3d | 先手は4筋の歩を突きます。 飛車を3四に浮いて石田流の形です。次に△4四歩と角道を止めれば落ち着いた将棋になる、とゼロから始める将棋研究所は書いています。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手の▲7六歩、▲2六歩のあと、角道を開けたまま飛車を4二へ振ります。
- 玉を6二、7二へ。
- 飛車を3二へ回します。
- △3五歩と突いて飛車を3四に浮きます。落ち着いた将棋にしたいときは△4四歩で角道を止めます。
気をつけること
- 先手玉が動く前の▲2四歩です。歩で取り、飛車が2四に来たら角を交換して△3三角と打ちます。2四の飛車と8八の銀の両取りです。
- 先手玉が7八に入ってからの同じ仕掛けです。今度は玉が銀を守っているので△3三角は両取りになりません。代わりに△2二飛と飛車交換を挑み、▲2三歩には△1二飛と寄って香を守ります。
- 一手損です。先手がその一手でしっかり囲っても、慌てることはありません。資料はゆっくりした将棋も受け入れています。
どんな相手に指すか
飛車先の歩を伸ばし、自分の角道も開けている居飛車です。ゼロから始める将棋研究所も三間飛車のひとくちメモも、いずれかの時点での▲2四歩を備えておくべき仕掛けとして挙げています。
先手が角道を止めれば、3筋への振り直しは普通の三間飛車になります。
源流
3・4・3戦法
島朗が2002年の『島ノート 振り飛車編』で示した指し方で、4→3戦法の源流です。名前は筋の順番で、まず四手目に△3五歩と突き、次に飛車を4二で止め、玉が7二に入ったら飛車を3二へ回します。4筋で止まる理由を三間飛車のひとくちメモが説明しています。
△3五歩のあと、先手が▲4八銀なら直接△3二飛と振れますが、▲6八玉に対していきなり振ると、▲2二角成△同銀▲6五角で困るのです。4筋で一度止まるのは石田流の天敵である棒金への備えにもなる、と ja.wikipedia は付け加えています。戸辺の手順との違いは歩です。
早く突くと石田流に決まってしまいますが、4→3戦法は飛車を振るまで選択の余地を残します。二つの図は ja.wikipedia の基本図です。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。