狙い
後手番の戦法です。先手が▲3四飛と横歩を取ったら、2二での角交換を防がなければなりません。△3三桂はそれを防いだうえで、角を元の筋に残します。後で桂が4五に跳ねると、角の利きが一気に通る、と将棋ウォーズは書いています。
飛車、角、桂が△3三角の形より使いにくいため、長く奇襲戦法と見られていましたが、北村昌男が1981年に指し始め(北村流とも呼ばれます)、1990年の棋聖戦で屋敷伸之が森下卓をこれで破りました。先手が▲3六飛と引けば、後手も飛車を8四に引いてひねり飛車のような将棋にできます。
現代の対策の▲5八玉は先手の飛車を3四に置いたままにするので、後手は飛車を8四に引けず、桂跳ねもなくなります。ja.wikipedia はこれを有力な対策としています。将棋ウォーズによれば、先手がここに示す端攻めを見つけてから、この戦法は減りました。
先手の端歩からあとの手順は二つのアマチュアのブログによるもので、二つは▲1五香まで一致しています。最後の三手、飛車を角と交換して△1六角と打つまでは、一つのブログだけのものです。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 先手が角道を開けます。 角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | 先手が飛車先の歩を突きます。 飛車先の歩を突きます。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △8五歩 8d8e | 先手は▲2五歩。 △8五歩。 |
| 7 | ▲7八金 6i7h | △3二金 4a3b | 先手は▲7八金で角の頭を守ります。 △3二金で、こちらも角の頭を守ります。 |
| 9 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 先手が▲2四歩と突いて歩を交換しにきます。 取ります。 |
| 11 | ▲同飛 2h2d | △8六歩 8e8f | 先手は飛車で取り返します。 こちらも8筋の歩を交換します。 |
| 13 | ▲同歩 8g8f | △同飛 8b8f | 先手が取ります。 飛車で取り返します。 |
| 15 | ▲3四飛 2d3d | △3三桂 2a3c | 先手は▲3四飛と横歩を取ります。次に▲2二角成と角を交換すれば、金を取るか竜を作る狙いがあります。 戦法の一手、△3三桂で角交換を防ぎます。角はその後ろ、2二で待機します。 |
| 17 | ▲5八玉 5i5h | △1四歩 1c1d | 先手の有力な応手、▲5八玉。飛車が3四に残るので、こちらの飛車は8四に引けず、△4五桂も消えます。 端歩を△1四歩と突き、角が1三から出られるようにします。 |
| 19 | ▲1六歩 1g1f | △6二玉 5a6b | 先手は▲1六歩と端歩を突き、▲1五歩をねらいます。 玉を端から遠い6二へ。 |
| 21 | ▲1五歩 1f1e | △同歩 1d1e | 先手は▲1五歩と突きます。 取ります。 |
| 23 | ▲1二歩 P*1b | △同香 1a1b | 先手は▲1二歩と打って香に当てます。 香で取ります。 |
| 25 | ▲1三歩 P*1c | △同角 2b1c | さらに▲1三歩と打ちます。 香ではなく角で取ります。先手が香を持つと、▲8七香と打たれて飛車に当たります。 |
| 27 | ▲1五香 1i1e | △8八飛成 8f8h+ | 先手の香が1五まで走り、角に当てます。 △8八飛成と、飛車を先手の角と交換します。 |
| 29 | ▲同銀 7i8h | △1六角 B*1f | 先手は銀で取ります。 香の後ろに△1六角と打ち、3四の飛車と4九の金をねらいます。後手が期待する反撃だ、とブログは書いていて、その先の手順は形勢不明で終わります。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手が横歩を取ったら、△3三桂と跳ねます。
- 先手が玉ではなく▲2四飛と動けば、すぐに△4五桂を考えます。
- ▲5八玉には△1四歩と突き、角が1三から出られるようにします。
- 玉を端から遠い6二へ。
- 先手が端から攻めてきたら角で取り、飛車を先手の角と交換して△1六角と打ちます。
気をつけること
- ▲2四飛と△4五桂。この桂跳ねで先手は苦しくなる、と ja.wikipedia は書いていますが、別の資料は▲2五飛と応じて先手やや良しとしています。
- 端攻め。1三の歩は香ではなく角で取ります。先手が香を持つと、▲8七香と打たれて飛車に当たります。
- △6二玉の代わりに△4二銀と上がれば3三の桂を守れますが、先手はまず▲2四飛と出て、端攻めは後回しにします。
どんな相手に指すか
先手は▲5八玉と上がって飛車を3四に置いたまま、端歩を突き、1二と1三に歩を打って後手の駒を端に呼び寄せてから香を走ります。▲3六飛と引いて穏やかな将棋にすることもできます。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。