狙い
たいていの囲いは、玉を飛車と反対側に置きます。右玉は違います。飛車を最下段の2九へ引き、玉は同じ側の4八に止めます。居飛車が相手なら、玉は相手が攻めてくる場所から遠くなります。こちらが左に囲うと見て左辺に攻めを組んだ相手は、その狙いを外されます。囲いとしては薄く、持ち味はバランスです。
金銀が盤に広がり、玉には逃げ場があり、最下段の飛車が打ち込みの隙を減らします。方針は待って反撃することで、相手が動いたら飛車・角・桂で、たとえば4五や2四の歩から反撃します。最もよく現れるのは角交換のあとで、最下段の飛車が角を打ち込まれる地点をカバーします。
千日手になる変化が多く、千日手は後手にとって成功なので、主に後手の戦法だと専門の解説は書いています。2019年の『将棋戦法事典100+』の人気順位では十三位でした。
組み方
先手の指し手だけを並べてあります。対局ではなく組み方の手順なので、後手は動かしていません。一手ごとに後手が応じる形にすると、狙いの形が見えなくなるからです。手順はすべて実際のルールで動かして確かめてあり、盤面はルール上あり得る局面です。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | 角道を開けます。 |
| 2 | ▲6六歩 6g6f | すぐに止めます。これで組み方は後手の手に左右されません。 |
| 3 | ▲6八銀 7i6h | 左の銀を6八へ。 |
| 4 | ▲4八銀 3i4h | 右の銀を4八へ。 |
| 5 | ▲7八金 6i7h | 左の金を7八へ。この金は左に残ります。 |
| 6 | ▲4六歩 4g4f | 銀のための場所を作ります。 |
| 7 | ▲4七銀 4h4g | 銀を4七へ。 |
| 8 | ▲3六歩 3g3f | 桂のための場所を作ります。 |
| 9 | ▲3七桂 2i3g | 桂を3七へ。ここまでは矢倉や左の囲いも選べます。 |
| 10 | ▲5八金 4i5h | 右の金を5八へ。 |
| 11 | ▲6七銀 6h6g | 左の銀を6七へ上げます。 |
| 12 | ▲2九飛 2h2i | 飛車を最下段の2九へ引きます。 |
| 13 | ▲4八玉 5i4h | 玉が飛車と同じ側の4八へ。右玉です。 |
駒組みのあとの指し方
- 早めに▲6六歩で角道を止め、二枚の銀を上げます。左の銀は6八へ、右の銀は4八から4七へ。
- 桂が3七に跳ねるまで玉は動かしません。そこまでは矢倉や左の囲いも選べます。
- 形を仕上げます。金を5八へ、銀を6七へ、飛車を2九へ、玉を4八へ。さらに玉を3八へ、金を4八へ進める人もいます。
- 相手が動くのを待ち、相手が手薄にした側から反撃します。相手が攻めてくる筋へ飛車を回すこともできます。
気をつけること
- 後手の△6四歩と△6二飛、右四間飛車で来られる形。日本将棋連盟のコラムは、右玉に組むのをやめて▲5六歩と▲5七銀右で応じるよう勧めています。
- 端と3七の桂の頭です。出典は1筋と2筋、そして桂を狙う角打ちを、典型的な攻め筋に挙げています。
- 飛車が2九に着く前です。飛車の横利きが通るまでは、飛車と玉が並ぶ悪形になります。
- 崩れたときです。一度入られると早く崩れます。玉の広さが守りなので、戦いが近づいたら早めに玉を逃がします。
どんな相手に指すか
居飛車です。名前のついた対策には、相手が端の香を上げてその奥の隅に飛車を回し、右玉の側から攻める地下鉄飛車、陽動振り飛車、穴熊、そして阿久津主税の菊水矢倉から銀冠への組み替えがあります。
角換わりでは、早繰り銀がとくに右玉に危険だとされています。振り飛車に対しては、左の銀を6七、右の金を3八に置く別の形、糸谷流右玉を使います。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。