狙い
角頭歩戦法は基本の約束事を破ります。先手は角の頭を守る歩を8六へ突くのです。後手が△8四歩と応じれば、角を交換してすぐに▲7七桂と跳ね、8筋を止めると同時に桂を活用します。そのあと振り飛車に組み、早く跳ねた桂が攻めに加わります。米長邦雄が1960年代から70年代にかけて公式戦で指しました。
ここの最初の五手は、1964年の対西村戦として ja.wikipedia が示す手順です。後手は四手目に△4四歩と角道を止めればすべて避けられます。1975年の王将戦で中原誠が米長に対してそう指しました。
桂を跳ねたあとの手順は全手を載せた唯一の資料である将棋ルール.com のもので、資料は居飛車の指し方として示していますが、飛車は6八に振られて四間飛車になります。後手番で後手の角の頭の歩を突く形は後手角頭歩です。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲9六歩 9g9f | △1四歩 1c1d | まず端歩を突きます。 後手は反対の端で応じます。 |
| 5 | ▲8六歩 8g8f | △8四歩 8c8d | 角の頭の歩を8六へ。名前の由来です。 後手は8筋を目指して飛車先の歩を突きます。 |
| 7 | ▲2二角成 8h2b+ | △同銀 3a2b | 先手が角を交換します。 銀で取り返します。 |
| 9 | ▲7七桂 8i7g | △3三銀 2b3c | ここが要点で、すぐに▲7七桂と跳ねて8筋を止めます。 後手の銀が3三へ。 |
| 11 | ▲7八金 6i7h | △6二銀 7a6b | 左の金を7八へ。 後手の右の銀が6二へ。 |
| 13 | ▲6六歩 6g6f | △6四歩 6c6d | 6筋の歩を6六へ。 後手も6筋の歩を突きます。 |
| 15 | ▲5八金 4i5h | △6三銀 6b6c | 右の金を5八へ。 後手の銀は6三へ。 |
| 17 | ▲6七金右 5h6g | △7四歩 7c7d | 右の金を6七へ上がります。 後手は7筋の歩を突きます。 |
| 19 | ▲5六金 6g5f | △6二金 6a6b | 金はさらに5六へ。 後手の右の金が6二へ。 |
| 21 | ▲6八飛 2h6h | △5四角 B*5d | 飛車を6八へ振ります。四間飛車です。 後手は5四に角を打ちます。 |
| 23 | ▲3六歩 3g3f | △7六角 5d7f | 3筋の歩を3六へ。 後手の角が7六の歩を取ります。 |
| 25 | ▲6五歩 6f6e | △同歩 6d6e | ▲6五歩と突きます。 後手が取ります。 |
| 27 | ▲3七角 B*3g | 先手は3七に角を打ちます。6四、7三を通して8二の飛車をにらみます。 |
駒組みのあとの指し方
- ▲7六歩で角道を開け、端歩を突き、角の頭の歩を8六へ。
- 後手が△8四歩と突いたら、角を交換して▲7七桂。
- 金を7八へ、6筋の歩を突き、右の金を6七、さらに5六へ。
- 飛車を6八へ振り、持ち駒の角を使います。
気をつけること
- 歩を突いたあとの穴、8七への角打ちです。ja.wikipedia によればこれはうまくいきません。▲6五角と打てば7六の歩を守りながら▲4三角成を狙え、交換のあとは先手が銀と角の交換で駒得になります。
- 四手目の△4四歩です。角交換がなくなり、ja.wikipedia の例では飛車を8八へ振って向かい飛車になります。
- その向かい飛車の変化では、玉を動かす前に▲6五桂と跳ねないことです。△7七角と打たれて王手飛車になる、と ja.wikipedia は注意しています。
どんな相手に指すか
角道を開け、飛車先の歩を突いてくる居飛車です。後手は、中原のように四手目に△4四歩と角道を止めればこれを避けられ、角交換のない向かい飛車の将棋になります。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。