狙い
後手番の戦法です。1997年に中座真が初めてプロの公式戦で飛車を8五に引きました。横歩取り△3三角で、飛車を動かす前に△2二銀と上がっておき、先手が▲8七歩と打って飛車に当てると、飛車は一つだけ引いて8五に置きます。最初の対局の相手は、中座が飛車を置く場所を誤ったと思った、と書く資料もあります。
ja.wikipedia によれば、一時は後手がこの形で七割近く勝ち、中座はこの戦法で升田幸三賞を受けました。囲いは中原囲いと組み合わせます。玉4一、金5一・3二、銀6二・2二です。8五の飛車は五段目に横に利くので、先手の飛車に当てて2五に打った歩を、盤の反対側から支えられます。
最初の二十手は、この△8五飛で終わる横歩取りのページの手順と同じです。二つの資料が手順を示し、三十一手すべてで一致していますが、その先で分かれます。いまでは少数のスペシャリストが指し続ける戦法だ、と ja.wikipedia は書いています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 先手が角道を開けます。 角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | 先手が飛車先の歩を突きます。 飛車先の歩を突きます。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △8五歩 8d8e | 先手は▲2五歩。 △8五歩。 |
| 7 | ▲7八金 6i7h | △3二金 4a3b | 先手は▲7八金で角の頭を守ります。 △3二金で、こちらも角の頭を守ります。 |
| 9 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 先手が▲2四歩と突いて歩を交換しにきます。 取ります。 |
| 11 | ▲同飛 2h2d | △8六歩 8e8f | 先手は飛車で取り返します。 こちらも8筋の歩を交換します。 |
| 13 | ▲同歩 8g8f | △同飛 8b8f | 先手が取ります。 飛車で取り返します。 |
| 15 | ▲3四飛 2d3d | △3三角 2b3c | 先手は▲3四飛と横歩を取ります。次に▲2二角成と角を交換すれば、金を取るか竜を作る狙いがあります。 △3三角で角交換を防ぎます。 |
| 17 | ▲3六飛 3d3f | △2二銀 3a2b | 先手は▲3六飛と引き、7六の歩を守ります。 先に△2二銀と上がり、飛車の手を保留します。これが以前の形との違いです。 |
| 19 | ▲8七歩 P*8g | △8五飛 8f8e | 先手は▲8七歩と打って飛車に当てます。 飛車は8五までしか引きません。中座飛車です。 |
| 21 | ▲2六飛 3f2f | △4一玉 5a4a | 先手は▲2六飛。△2四飛に備えます。 玉を4一へ。中原囲いの始まりです。 |
| 23 | ▲5八玉 5i5h | △6二銀 7a6b | 先手は▲5八玉。資料はここで先手に▲5八玉と▲6八玉の二つの選択肢を挙げています。 右の銀を6二へ。 |
| 25 | ▲3八金 4i3h | △5一金 6a5a | 先手は右の金を3八へ。 右の金を玉の横の5一へ。玉4一、金5一・3二、銀6二・2二の中原囲いが完成します。 |
| 27 | ▲4八銀 3i4h | △7四歩 7c7d | 先手は右の銀を4八へ。 △7四歩。右の桂を7三に跳ねるためです。 |
| 29 | ▲3六歩 3g3f | △2五歩 P*2e | 先手は▲3六歩と、自分の桂を跳ねる準備をします。 先手の飛車に当てて△2五歩と打ちます。8五の飛車が横からこの歩を支えています。 |
| 31 | ▲2八飛 2f2h | 先手の飛車は2八に戻ります。二つの資料が共通して示すのはここまでです。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手が▲3六飛と引いたら、先に△2二銀と上がって飛車の手を保留します。
- 先手が▲8七歩と打ったら、飛車は8五までしか引きません。
- 中原囲いに組みます。玉を4一、右の銀を6二、右の金を5一へ。
- △7四歩と突き、右の桂を7三に跳ねる準備をします。
- 8五の飛車が支える△2五歩を打ち、先手の飛車を押し戻します。
気をつけること
- 二十三手目の先手の玉。資料は▲5八玉と▲6八玉の二つを挙げ、▲6八玉に対しては△7三桂と跳ねてから、飛車を横に5五まで動かす手順を示しています。
- 囲い。中原囲いは低くて速い一方で薄く、持久戦ではなく早い戦いに向く、とそのページにあります。
どんな相手に指すか
先手は玉を5八、右の金を3八、右の銀を4八に置く中住まいに構え、▲3六歩で右の桂を活用します。玉を6八に置くこともでき、ja.wikipedia にあるように、▲8七歩を打たずに飛車を8五に引く理由をなくす指し方もあります。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。