狙い
ふつうの横歩取り△3三角では、先手は▲3六飛と一手かけて飛車を引きます。青野流はこれを省きます。▲5八玉と上がって玉の上の歩を守り、飛車を3四に置いたままにすることで、3筋の歩を伸ばし、右の桂を3七から4五へ跳ねられるようにします。この桂、そして左の桂も使った攻めがすべてで、二枚の桂が五段目に並ぶ形を理想とする解説もあります。
青野照市は2005年ごろから指し始め、2018年に発表された二度目の升田幸三賞を、勇気流の佐々木勇気とともに受賞しました。ja.wikipedia によれば、ソフトの評価でも後手が低かったため、2020年にはプロが後手で横歩取りをほとんど指さなくなった時期がありました。ここの手順は、後手が桂跳ねを止めるのに最も力を入れる進行です。
後手は横歩を取り返し、角を交換して△5五角と打ちます。最初の二十四手は二つの資料にあり、その先は、二つの資料がよくある進行として挙げる手順です。三つの資料とも最後の局面を互角としています。玉は中住まいの位置にいて、右の金が3八に上がると、この指し方からは金開きがよく現れる、と ja.wikipedia は書いています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △8四歩 8c8d | 飛車先の歩を突きます。 後手も飛車先の歩を突きます。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △8五歩 8d8e | ▲2五歩。 後手は△8五歩。 |
| 7 | ▲7八金 6i7h | △3二金 4a3b | ▲7八金で角の頭を守ります。 後手も△3二金で角の頭を守ります。 |
| 9 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | ▲2四歩と突いて歩を交換します。 後手が取ります。 |
| 11 | ▲同飛 2h2d | △8六歩 8e8f | 飛車で取り返します。 後手も8筋の歩を交換します。 |
| 13 | ▲同歩 8g8f | △同飛 8b8f | 歩で取ります。 後手は飛車で取り返します。 |
| 15 | ▲3四飛 2d3d | △3三角 2b3c | ▲3四飛と横歩を取ります。次に▲2二角成と角を交換すれば、金を取るか竜を作る狙いがあります。 後手は△3三角で角交換を防ぎます。 |
| 17 | ▲5八玉 5i5h | △5二玉 5a5b | 戦法の一手。飛車を引かずに▲5八玉と上がります。玉の上の歩を守り、飛車は3四に置いたままです。 後手の玉は5二へ。 |
| 19 | ▲3六歩 3g3f | △7六飛 8f7f | ▲3六歩で、桂の跳ねる3七を空けます。 後手は△7六飛と歩を取ります。3三の角も8八をにらんでいます。 |
| 21 | ▲7七角 8h7g | △同角成 3c7g+ | まず受けます。▲7七角。ここで▲3七桂と跳ねると、△8八角成から△7八飛成で負けます。 後手が角を交換します。 |
| 23 | ▲同桂 8i7g | △5五角 B*5e | 桂で取り返します。 後手は△5五角と打ち、1九の香と7七の桂をねらいます。 |
| 25 | ▲2二歩 P*2b | △3三桂 2a3c | ▲2二歩と打って桂に当てます。定跡の一手です。 後手は△3三桂と跳ねて桂を逃がします。 |
| 27 | ▲2一歩成 2b2a+ | △4二銀 3a4b | ▲2一歩成。 後手は左の銀を4二へ。 |
| 29 | ▲2三歩 P*2c | △同金 3b2c | ▲2三歩と打ち、▲2二歩成をねらいます。 後手が金で取ります。 |
| 31 | ▲8四飛 3d8d | 飛車を8四に回します。資料はこの局面を互角としています。 |
駒組みのあとの指し方
- △3三角には、飛車を引かずに▲5八玉と上がります。
- ▲3六歩と突き、桂の跳ねる3七を空けます。
- 後手が飛車で横歩を取り返してきたら、何よりも先に▲7七角と受けます。
- 角交換から△5五角と打たれたら、▲2二歩と打って桂に当てます。
- その歩を2一で成り、▲2三歩で金を釣り上げてから、飛車を8四に回します。
気をつけること
- 後手の△7六飛に、すぐ▲3七桂と跳ねると、△8八角成から△7八飛成で負けます。まず▲7七角か▲7七桂で受けます。
- 後手が△7二金と△6二銀でおとなしく組めば、それでも桂は跳ねられ、▲2二歩△同銀のあとの▲4五桂で駒得します。
- 後手が△2二銀から△2三銀と飛車を追ってきたら、飛車を8四に回し、やはり▲4五桂が成立します。
- この戦法では▲8七歩と打たないように、と書く解説もあります。
どんな相手に指すか
後手は飛車で横歩を取り返し、角を交換して、1九の香と7七の桂をねらう△5五角を打ちます。▲2二歩には△3三桂と跳ねて桂を逃がし、△4二銀で玉の側を固めます。資料はいずれも互角としています。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。