狙い
後手番の戦法で、都成竜馬が奨励会時代に考えたはめ手です。糸谷哲郎が放送で紹介したことで知られるようになりました。先手の▲2六歩、▲2五歩に対して、△3三角ではなく△3二銀と上がり、先手に2四で歩を交換させます。そこで歩を打って受けるのではなく、△3一金と金を寄せて2一と2二をカバーします。
先手の飛車が3四の横歩を取れば△4四角が要点だ、と ja.wikipedia は書いています。飛車が2四に戻り、△3三銀と上がると、飛車は2八まで引き、△2六歩と打って飛車を閉じ込め、後手は飛車を2二に振って2筋を取り返します。
飯塚祐紀の2014年の著書をもとに、どう受けても先手がよくなるわけではなく、正しく受ければ普通の将棋になる、というのが ja.wikipedia の結論です。手順を示した資料はこれだけで、将棋ウォーズの演出についての解説が狙いを言葉で裏づけています。同じ棋士のダイレクト向かい飛車の都成式とは別の手順です。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲2六歩 2g2f | △3四歩 3c3d | 先手は飛車先の歩を突きます。 後手は角道を開けます。 |
| 3 | ▲2五歩 2f2e | △3二銀 3a3b | 先手は2五まで伸ばします。 ふつうの△3三角ではなく△3二銀。 |
| 5 | ▲2四歩 2e2d | △同歩 2c2d | 先手は▲2四歩と突きます。 後手が取ります。 |
| 7 | ▲同飛 2h2d | △3一金 4a3a | 先手は飛車で取り返します。 この戦法を決める一手、△3一金です。歩を打たずに、金で2一と2二をカバーします。 |
| 9 | ▲3四飛 2d3d | △4四角 2b4d | 先手の飛車が3四の横歩を取ります。 要点だと ja.wikipedia が書く△4四角です。 |
| 11 | ▲2四飛 3d2d | △3三銀 3b3c | 飛車は2四に戻ります。 銀を3三へ上がります。 |
| 13 | ▲2八飛 2d2h | △2六歩 P*2f | 飛車は2八に引きます。 2六に歩を打って飛車を閉じ込めます。 |
| 15 | ▲7六歩 7g7f | △2二飛 8b2b | 先手は4四の角に向けて角道を開け、角交換を迫ります。 飛車を2二へ振り、2筋を取り返します。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手の▲2六歩、▲2五歩には△3二銀と上がり、2四で歩を交換させます。
- △3一金と寄ります。
- 飛車が横歩を取れば△4四角、続いて△3三銀。
- 飛車が2八に引いたら、2六に歩を打ちます。
- 飛車を2二へ振ります。
気をつけること
- △3三銀のあと先手が▲2三飛成と成り込めば、△2四歩と△2二金で竜を捕まえられますが、先手はその代わりにと金と金銀を得ます。
- 先手が横歩を取らずに▲7六歩と突いてきたら、8八で角を交換し、△3三銀、飛車が引いたら△2七歩、そして△4五角と打ちます。
- 受ける側へ。攻め込まずに飛車を引いて落ち着いて駒組みをするのがよい、と将棋ウォーズの解説は勧めています。
どんな相手に指すか
飯塚の著書をもとに ja.wikipedia が示す先手の指し方は、△3三銀のあとの▲2三飛成です。後手は竜を捕まえますが、先手のと金が銀も取るので、飛車と金銀の交換になります。
将棋ウォーズの解説は、代わりに落ち着いた駒組みを勧めています。正しく指されて後手がよくなるとする資料はありません。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。