狙い
後手番の戦法で、出だしは相居飛車です。先手の▲7六歩、▲2六歩、▲2五歩に対して、左の金を3二へ、角を3三へ上がります。先手が角を交換すれば、ふつうは悪形とされる金で取り返し、飛車を2二へ振って先手の飛車と向かい合います。そして飛車を後ろに、金が2筋を上がっていきます。△2四歩、▲同歩、△同金です。
マイナビのコラムはこの戦法を、△2四歩からの棒金による攻めとまとめています。名前は1919年5月に土居市太郎を相手にこの戦法を指して勝った阪田三吉に由来しますが、コラムによれば阪田が指したのはこの一局だけで、ja.wikipedia は先手番で指された江戸時代の書物まで手順をたどっています。
糸谷哲郎や渡辺明をはじめ、プロも後手番で採用しています。手順は初手からこのコラムに従っていて、九手目から十五手目はこのコラムだけが示しています。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 先手が角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲2六歩 2g2f | △3二金 4a3b | 先手は飛車先の歩を突きます。 左の金を3二へ。ここまでは相居飛車の出だしです。 |
| 5 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | 先手は2五まで伸ばします。 角を3三へ上がり、2四を守ります。 |
| 7 | ▲同角成 8h3c+ | △同金 3b3c | 先手が角を取ります。 金で取り返します。3三の金がこの戦法の土台です。 |
| 9 | ▲8八銀 7i8h | △2二飛 8b2b | 先手の銀が8八へ。 飛車を2二へ振り、先手の飛車と向かい合います。阪田流向かい飛車です。 |
| 11 | ▲6八玉 5i6h | △4二銀 3a4b | 先手玉が6八へ。 左の銀を4二へ。 |
| 13 | ▲7七銀 8h7g | △5二玉 5a5b | 先手の銀は7七へ。 後手玉は5二へ。7二まで寄ることもできるが、先手に受ける時間を与える、とコラムは書いています。 |
| 15 | ▲3八銀 3i3h | △2四歩 2c2d | 先手の右の銀が3八へ。 攻めの始まり、△2四歩です。 |
| 17 | ▲同歩 2e2d | △同金 3c2d | 先手が取ります。 金で取り返します。後ろの飛車が支える棒金です。 |
駒組みのあとの指し方
- 先手の▲7六歩、▲2六歩のあと左の金を3二へ、▲2五歩には角を3三へ。
- 先手が3三で角を交換したら、金で取り返します。
- 飛車を2二へ振ります。
- 左の銀を4二へ、玉を5二へ。ゆっくり指すなら玉を7二まで寄ります。
- △2四歩と仕掛け、金で取り返します。
気をつけること
- 金が上がったあとの▲5六角が、先手のよくある応手です。8三と3四の歩を狙います。コラムの答えは8三への成りを防ぐ△7二銀で、互角の勝負としています。
- 豊川孝弘は2010年の冊子で、こうした急戦策は上級者には通用しないことが多いと述べている、と ja.wikipedia は伝えています。
- 玉を7二までゆっくり寄ると、先手に▲3六歩、▲3七桂で2筋を受ける時間を与えます。
どんな相手に指すか
早くから飛車先の歩を2五まで伸ばし、3三で角を取る居飛車です。資料にある先手のふつうの応手は、後手の金が2四に来たところでの▲5六角です。コラムはそこから後手の二つの方針を示しています。
金で押していく間に8三で角を成らせる奇襲らしい指し方と、互角とする△7二銀です。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。