狙い
後手番の戦法で、島朗の『島ノート』の冒頭に出てくる向かい飛車です。角を3三へ上がり、角道を止めずに飛車を2二へ振るので、先手は角を交換できます。△同桂と取り返した局面は隙だらけに見え、馬を作ろうと4三を狙って▲6五角と打つと反撃を受けます。
すぐに△4五桂と跳ねて3七と5七に当て、先手が銀で両方を受けたところで、自分の角を3三に打ち直します。手順の出典である将棋ルール.com は、これを後手の理想形の一つとしています。先手が角を交換しなければ、先手が角道を止めなければならない普通の向かい飛車になります。
鬼殺しの系統で、正しく指されても悪くならない唯一の戦法だと ja.wikipedia は書いています。2004年の名人戦では、森内俊之が後手で似た形を用いて羽生善治に勝ちました。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲2六歩 2g2f | △3四歩 3c3d | 先手は飛車先の歩を突きます。居飛車です。 後手は角道を開けます。 |
| 3 | ▲2五歩 2f2e | △3三角 2b3c | 先手は2五まで伸ばします。 角を3三へ上がり、2四を守ります。 |
| 5 | ▲7六歩 7g7f | △2二飛 8b2b | 先手も角道を開けます。 角道を開けたまま飛車を2二へ。向かい飛車です。 |
| 7 | ▲3三角成 8h3c+ | △同桂 2a3c | 先手は後手の左の銀が上がる前に、いま角を交換します。交換するならこのタイミングだ、と ja.wikipedia は書いています。 桂で取り返します。 |
| 9 | ▲6五角 B*6e | △4五桂 3c4e | 先手は誘いに乗って▲6五角。馬を作ろうと4三を狙います。 すぐに△4五桂と跳ね、3七と5七に当てます。 |
| 11 | ▲4八銀 3i4h | △3三角 B*3c | 先手は▲4八銀で両方を受けます。 後手は角を3三に打ち直します。後手の理想形の一つだと将棋ルール.com は書いています。 |
駒組みのあとの指し方
- △3四歩で角道を開け、角を3三へ上がり、4筋の歩を突かずに飛車を2二へ振ります。
- 先手が3三で角を交換したら、桂で取り返します。
- ▲6五角には、すぐに△4五桂。
- 先手が▲4八銀と受けたら、△3三角と打ちます。
- 先手が誘いに乗らなければ、普通の向かい飛車として指し進めます。
気をつけること
- 先手が角を交換する時期です。左の銀が上がったあとなら銀で取り返せて、ダイレクト向かい飛車の得な形になる、と ja.wikipedia は書いています。
- この罠は先手の角打ちが前提です。たいていの相手は打ってきませんが、そのときも向かい飛車として指せます。
- 受ける側へ。七手目に角を交換し、角を打たずに端歩を▲9六歩と突きます。
どんな相手に指すか
ja.wikipedia の居飛車側への助言は、七手目に角を交換し、△同桂のあとは角を打たずに玉側の端歩を▲9六歩と突くことです。将棋ウォーズは残りの半分を書いています。馬ができそうだからといって角を打たないことです。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。