狙い
先手は角道を止めて左の銀を6七に上げ、▲7五歩と突きます。次に▲7八飛から▲7六飛と浮けば石田流になるので、後手はそれを防ぐために△8五歩と飛車先の歩を伸ばします。これこそ向かい飛車の望むところで、角を7七へ上がり、飛車を8八へ振って後手の飛車と向かい合います。
左の金は飛車の隣の7八へ上がり、飛車交換になっても先手の左側に飛車を打ち込む隙を残しません。そして囲わずに、すぐ▲8六歩と仕掛けます。後手が△8五歩と打って飛車交換を避ければ、銀を7六へ上がって8五の歩を狙います。元奨励会員でアマチュアの大会でも優勝した横山公望の戦法です。
手順は最後の局面を先手の断然優勢とする将棋の戦法図鑑のもので、別の資料も二十五手目まで同じ手順を示しています。二十六手目から三十一手目は資料が一つだけです。
組み方
双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。
初形
一手ずつ進めるか、再生を押してください。
指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。
全手順と、その理由
| # | 先手 | 後手 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | ▲7六歩 7g7f | △3四歩 3c3d | 角道を開けます。 後手も角道を開けます。 |
| 3 | ▲6六歩 6g6f | △8四歩 8c8d | 6六の歩で角道を止めます。 後手は飛車先の歩を突きます。居飛車です。 |
| 5 | ▲6八銀 7i6h | △6二銀 7a6b | 左の銀を6七へ向けて6八へ。 後手の右の銀が6二へ。 |
| 7 | ▲6七銀 6h6g | △5四歩 5c5d | 銀が6七に着きます。 後手は5筋の歩を突きます。 |
| 9 | ▲7五歩 7f7e | △8五歩 8d8e | この戦法の狙いの一手、▲7五歩です。次に▲7八飛から▲7六飛と浮けば石田流です。 後手は△8五歩と伸ばして石田流を防ぎます。 |
| 11 | ▲7七角 8h7g | △4二玉 5a4b | 角を7七へ上がり、8八を空けます。 後手玉が4二へ。 |
| 13 | ▲8八飛 2h8h | △3二玉 4b3b | 飛車を8八へ振ります。向かい飛車です。 後手玉は3二へ。 |
| 15 | ▲7八金 6i7h | △5二金右 6a5b | 左の金を7八へ。飛車交換になっても、先手の左側に飛車を打ち込む隙がありません。 後手の右の金が5二へ。 |
| 17 | ▲8六歩 8g8f | △同歩 8e8f | 居玉のまま仕掛けます。▲8六歩。 後手が取ります。 |
| 19 | ▲同飛 8h8f | △8五歩 P*8e | 飛車で取り返します。ここで先手よし、飛車交換は先手に得だ、と資料は書いています。 後手は飛車交換を避けて8五に歩を打ちます。 |
| 21 | ▲8八飛 8f8h | △9四歩 9c9d | 飛車を8八に引きます。 後手は端歩を突き、桂を9三に跳ねる準備をします。 |
| 23 | ▲7六銀 6g7f | △9三桂 8a9c | 銀を7六へ。8五の歩を目指します。 後手は桂を9三へ跳ね、8五を守ります。 |
| 25 | ▲9六歩 9g9f | △6四歩 6c6d | 端歩を9六へ。桂頭を狙います。 後手は6筋の歩を突きます。 |
| 27 | ▲6七金 7h6g | △6三銀 6b6c | 金を6七へ上がります。 後手の銀が6三へ。 |
| 29 | ▲9五歩 9f9e | △同歩 9d9e | 端歩をさらに9五へ。 後手が取ります。 |
| 31 | ▲9四歩 P*9d | 9四に歩を打って桂に当てます。先手の断然優勢と資料は書いています。 |
駒組みのあとの指し方
- 6六の歩で角道を止め、左の銀を6七へ。
- ▲7五歩と突きます。後手は△8五歩で石田流を防がなければなりません。
- 角を7七、飛車を8八、そして左の金を7八へ。
- ▲8六歩と仕掛けます。飛車交換なら先手陣に打ち込む隙はなく、△8五歩と打たれたら飛車を8八に引いて銀を7六へ。
- 後手の端歩と9三の桂には、端歩を突いて桂頭を攻めます。
気をつけること
- ▲8六歩の前に▲7八金です。これがないと、飛車交換のあと先手の左側に飛車を打たれます。
- 玉は5九のままです。攻めを続けなければなりません。あるブログでは、先に美濃囲いに組むゆっくりした指し方が紹介されています。
- 後手が8四の歩を伸ばさずに早く囲う場合です。そのときは7五の歩が役目を果たしていて、先手は石田流に組めます。
どんな相手に指すか
飛車先の歩を8四まで突いた居飛車です。後手のふつうの応じ方は、△8五歩で石田流を防ぎ、金を5二へ上げて囲い、8五に歩を打って飛車交換を避けることです。
上の手順では、後手はさらに端歩と△9三桂で銀に備えますが、それでも先手の断然優勢で終わります。
コンピュータ相手に指してみる。
アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。