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戦法 · 一手損角換わり

一手損角換わり

先手の角が動く前に、後手が8八で角を交換します。一手損ですが、その代わりに飛車先の歩を8四にとどめ、8五を桂のために空けておけます。

このページの内容 5狙い組み方駒組みのあとの指し方気をつけることどんな相手に指すか

居飛車(後手番)・囲いは双方とも兜矢倉・

36手目までの一手損角換わり123456789ihgfedcba 香香 玉玉 桂桂 香香 飛飛 金金 金金 桂桂 歩歩 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 歩歩 桂桂 金金 金金 飛飛 香香 桂桂 王王 香香 角角 後手の持ち駒 角角 先手の持ち駒
形。定跡を36手進めた一手損角換わり。要になるマスに丸をつけてあります。後手の戦法なので、このページの盤はすべて後手から見た向きで、後手が手前です。双方の指し手を並べてあり、持ち駒も盤の上下に書いてあります。

狙い

後手の戦法です。普通の角換わりでは先手が▲7七角と上がり、後手が7七で取るので、交換でどちらも手損はしません。ここでは後手が、先手の角がまだ8八にいるうちに△8八角成と取ります。先手は7九の銀で取り返し、同時にその銀が前に出ます。後手は後手番であるうえに、さらに一手遅れることになります。それでも成り立つ理由は二つあります。

角換わりはどちらも簡単には攻められない戦型なので、待つ手に価値があり、一手の損がほかの戦法ほど響きません。後手は先手の手をもう一手見てから形を選べます。そして後手は、飛車先の歩を8五まで突かずに済みます。歩が8四にいれば8五のマスは空いたままで、7三の桂がそこへ跳ねて、攻めにも、頭を攻められたときの逃げ道にも使えます。

玉はどちらも角換わりの囲いで、先手は兜矢倉(玉7九、金7八・5八、銀7七)、後手はそれをひっくり返した形(玉3一、金3二・5二、銀3三)です。淡路仁茂が創案し、2006年に升田幸三賞を受けました。

組み方

双方の指し手を並べてあります。この戦法は片方だけで組める形ではなく、相手がそう応じて初めて成立する戦型なので、先手の手だけを並べても手順としては嘘になります。

初形123456789ihgfedcba 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 王王 金金 銀銀 桂桂 香香 後手の持ち駒先手の持ち駒
初形

一手ずつ進めるか、再生を押してください。

指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。

全手順と、その理由
#先手後手狙い
1▲7六歩 △3四歩 角道を開けます。 後手も角道を開けます。
3▲2六歩 △8四歩 先手は飛車先の歩を突きます。 後手の飛車先の歩。普通の角換わりなら8五まで伸ばしますが、ここでは8四で止めたままにします。
5▲2五歩 △8八角成 先手は2五へ伸ばします。 先手の角がまだ8八にいるうちの角交換。これが一手損です。
7▲同銀 △2二銀 銀が7九から取り返し、同じ一手で前に出ます。 後手の左銀が2二へ。3三へ向かう途中です。
9▲7七銀 △3二金 先手の銀が7七へ。兜矢倉の銀です。 後手の左金が3二へ。
11▲7八金 △3三銀 先手の左金が7八へ。 銀が3三に着き、先手の飛車先の歩に対して2四を守ります。
13▲3八銀 △7二銀 先手の右銀が3八へ。 後手の右銀が7二へ。
15▲9六歩 △9四歩 双方が端歩を突きます。
17▲1六歩 △1四歩
19▲4六歩 △6四歩 先手は右銀の通り道を作ります。
21▲4七銀 △6三銀 先手の銀が4七へ。 後手の銀が6三へ。
23▲5八金 △5二金 先手の右金が5八へ。 後手の右金が5二へ。
25▲6八玉 △4二玉 先手玉が6八へ。 後手玉が4二へ。
27▲7九玉 △5四銀 先手玉はさらに7九へ。先手の兜矢倉、玉7九、金7八・5八、銀7七です。 後手の銀が5四へ。腰掛け銀です。
29▲5六銀 △3一玉 先手も5六へ。これで双方が腰掛け銀になりました。 後手玉が3一へ。同じ囲いをひっくり返した形で、玉3一、金3二・5二、銀3三です。
31▲3六歩 △4四歩 後手は△4四歩。
33▲6六歩 △7四歩 後手は△7四歩と突き、桂が7三へ跳ねられるようにします。
35▲3七桂 △7三桂 先手の桂が3七へ。 後手の桂が7三へ。その前の8五はまだ空いています。双方の囲いが完成し、三つの出典がそろって図に描く局面です。

駒組みのあとの指し方

  • △3四歩で角道を開け、先手が▲7七角と上がる前に8八で角を交換します。この手順では六手目ですが、▲2六歩の直後に一手早く取る指し方もあります。
  • 銀を2二、さらに3三へ上がります。そこで先手の飛車先に対して2四を守ります。
  • 飛車先の歩は8四に置いたまま。玉を3一に囲い、右の銀を5四へ、桂を7三へ。
  • 先手が▲7四歩で桂を攻めてきたら、8五へ跳ねます。歩がすでに8五にいる普通の角換わりなら、7四への歩打ちは後手にとって厳しい手です。この手順の出典である shogi-rule.com は、ここで止めた局面のさらに先も並べています。先手が▲4五歩から仕掛け、端、7筋、2筋と歩を突いて、最後に▲7四歩と打ち、桂が8五へ跳ねます。
  • 早繰り銀に対しては、結局△8五歩と突き、自分も腰掛け銀で応じます。その組み合わせに向いた形です。

気をつけること

  • 早繰り銀。先手は一手の得を▲4六銀から▲3五歩の速い攻めに使い、出典はこれを最大の試金石としています。青野照市のこの戦法の本も、まるごと一章を割いています。
  • 棒銀。先手はまっすぐ端を攻めてこられます。8四の歩のおかげで、端で銀と香を交換したあとの▲6六角から▲8四香という先手の続きの一つが消えています。
  • 右玉。一手の得を使って、先手は端歩を1五まで伸ばし、右に玉を囲えます。出典によれば、この作戦は普通の角換わりよりもここでのほうが先手に合っています。

どんな相手に指すか

一手の得をどう使うかは先手が選びます。標準的な対策は三つで、上の手順につながる腰掛け銀、一手損をとがめる最も直接的な棒銀、そして相腰掛け銀で先手の利が薄れてから先手が向かった早繰り銀です。

ポンポン桂や右玉も指され、先手のダイレクト向かい飛車にも定跡があります。出典の記述では、どれもこの戦法を否定するものではありません。

コンピュータ相手に指してみる。

アプリのコンピュータは、レベル9から12が四間飛車と矢倉の二つを定跡どおりに指し、Mino のレベルは人が指す序盤を指します。対局後の検討では、どの手で定跡を外れたかがわかります。まず手順を、次に狙いを試してください。

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