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囲い · 米長玉

米長玉

銀冠の下で、玉を自分の香の上の地点へ寄せます。米長邦雄の工夫を、ここでは金銀四枚の形で示します。

このページの内容 6組み方一手ずつ何に強いかどこから崩れるかいつ組むか対コンピュータの工夫
完成した米長玉987654321fghi 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 銀銀 銀銀 金金 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 玉玉 金金 飛飛 香香 桂桂 角角 桂桂 香香
形。丸をつけたマスが、この囲いの駒の定位置です。9八に玉、8七に銀、7七に銀、7八に金、6七に金、7九に角、8六に歩、6六に歩、8九に桂、9九に香。

組み方

四枚美濃(玉8七、銀7七・7八、金6七・6九、角7九)から始めます。玉が斜めに下がって香の上の9八へ。7八の銀が玉の空けた8七へ上がって冠になり、6九の金がその下の7八へ上がります。7八の金は二枚の銀と6七の金と角を支え、二枚の銀はどちらも冠の前の8六の歩に利いています。

ここでの米長玉は四枚美濃に三手を足した形です。下の十六手目までがその囲いです。

一手ずつ

先手の手だけを、初形から、日本将棋連盟のコラム「玉の囲い方」の手順で並べます。天守閣美濃、五手で四枚美濃、それから玉、銀、金です。

初形987654321abcdefghi 香香 桂桂 銀銀 金金 王王 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香
初形

一手ずつ進めるか、再生を押してください。

指し手をタップするとその局面に飛びます。盤を選ぶと矢印キーも使えます。

十九手です。コラムはこれを、玉頭攻めの筋から玉がすでに外れている金銀四枚の銀冠で、心配のない形だとしています。

何に強いか

早逃げです。9八の玉は長い斜めから外れています。終盤の速度で得をするための工夫で、早く寄せた玉はゼットになりやすい、と ja.wikipedia は書いています。端が弱そうに見えても、8七の銀のおかげで小さな傷にとどまる、とも書いています。

どこから崩れるか

手数、香、そして横です。十九手かかり、四枚美濃に組む途中で相手が△6五歩と突いてくることが多い、とコラムは書いています。玉が香の上にいるので香は守りに働かず、横からの攻めにはそれほど強くない、と ja.wikipedia は書いています。最下段の6九にはどの駒も利いていません。

いつ組むか

持久戦で、振り飛車に対する居飛車です。ja.wikipedia によれば、この工夫は米長が大山康晴と戦った将棋から生まれ、2000年に発表された升田幸三賞の受賞につながりました。いまでは居飛車の銀冠系の囲いで玉を香の上(先手なら9八、後手なら1二)に置く形を主に指す名前なので、金銀三枚の端玉銀冠もそう呼ばれます。下の項で取り上げる新米長玉は別のもので、2012年に米長がコンピュータソフトのボンクラーズを相手に二手目に指した△6二玉のことです。

対コンピュータの工夫

米長の名前は、コンピュータソフトを相手に指した一手にもついています。将棋ウォーズは、ソフトに勝つためだけに組む陣形と並べて、これを戦法として認定しています。どちらも上の囲いとは関係ありません。

新米長玉

新米長玉987654321abcdefghi 香香 桂桂 銀銀 金金 金金 銀銀 桂桂 香香 飛飛 王王 角角 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 角角 飛飛 香香 桂桂 銀銀 金金 玉玉 金金 銀銀 桂桂 香香
二手目。▲7六歩に△6二玉。

2012年1月14日の第1回将棋電王戦で、米長邦雄はソフトのボンクラーズと対局し、▲7六歩に二手目△6二玉と指しました。米長自身がこの手を新米長玉と名づけています。

Bonanza の作者の保木邦仁が、Bonanza 系のソフトを序盤のデータから外す手として勧めたもので、百局を超える練習対局のあと、米長はボンクラーズに対する最善の応手だと考えるようになりました。序盤は厚みを築きましたが、中盤の一瞬の緩みからソフトが勝ちました。

将棋ウォーズはいまも戦法として認定していますが、自分で序盤の知識を作る現在のソフトにはもう通用しない、と書く解説もあります。米長はこの名前を、1983年に別の玉の位置(△3三玉)にも使っていました。

稲庭戦法

稲庭戦法987654321fghi 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 歩歩 金金 玉玉 銀銀 金金 銀銀 香香 桂桂 角角 飛飛 桂桂 香香
壁の形。歩はすべて元の位置。その後ろに玉7八、金9八・3八、銀6八・2八、角7九、飛4九。

稲庭戦法は人間を相手にするものではありません。歩を一枚も突かず、その後ろに平らな壁を作り(玉7八、金9八・3八、銀6八・2八、角7九、飛5九か4九)、あとは金か飛車を行ったり来たりさせて、ソフトの時間切れを待ちます。将棋ウォーズは、この戦法の始まりを1997年のコンピュータ同士の対局としています。

ja.wikipedia は、もとになった丸山スペシャルと、持ち時間が秒読みなしの切れ負けだった2010年の第20回世界コンピュータ将棋選手権の一次予選を無敗で通過したソフト「稲庭将棋」について書いています。人間なら崩せる陣形で、ソフトが崩し方を見つけられなかったから通用した、とも ja.wikipedia は書いています。

図は、将棋ウォーズが判定する形を、あるブログが描いたとおりに示したものです。この形に組む手順を示した資料はありません。

盤の上で組んでみる。

アプリのレッスンでは玉を一手ずつ美濃囲いへ歩かせ、検討では、流れが変わったときに組んでいた囲いの名前を示します。

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