チェスを知っている人へ
チェスを指す人が、将棋を始めるなら。
玉、飛車、角、桂、歩には見覚えがあるはずですし、王手と詰みの考え方もそのままです。ただし取った駒は箱ではなく持ち駒になり、そこから、知っているはずのゲームが別のゲームに変わります。
そのまま通じるもの
- 二人で交互に一手ずつ指し、詰ませたほうが勝ちです。王手には必ず応じなければならず、自分の玉を王手のまま放っておくことはできません。
- 飛車と角の動きはルークとビショップとまったく同じです。玉は八方に一マス。歩は前に一マス進みます。
- 駒には価値の差があり、駒得の勘定はここでも効きます。ただし価値の並びは違いますし、あとで書くとおり、交換しても局面は単純になりません。
違うもの
盤と駒
九×九、マス目は一色、駒は一方二十枚です。クイーンにあたる駒はありません。将が金将と銀将の二種類あり、まっすぐ前だけに走る香車があります。駒は同じ色の平たい五角形で、先が相手のほうを向きます。どちらの駒かは向きで見分けます。
チェスにない三枚: 金は斜め後ろを除く六方に一マス、銀は前と斜め前と斜め後ろに一マス、香車はまっすぐ前に走って戻れません。八種類すべては駒のページにあります。
桂と歩は小さい
将棋の桂の行き先は八つではなく二つ、二段前の左右に跳びます。横にも後ろにも行けません。歩は動き方と取り方が同じで、まっすぐ前だけです。二マス進む最初の一手も、アンパッサンも、斜めに取ることもありません。ですから歩は同じ筋で向かい合い、どちらかが交換されるまで互いに止まったままになります。
持ち駒
いちばん大きい違いです。取った駒は自分のものになり、あとの手番でほとんどどこの空きマスにでも打てます。駒が盤から消えることはなく、交換すればそのぶん両者の駒台に駒が乗ります。チェスのような終盤、わずかな差を磨いてポーンエンディングに持ち込む終盤はありません。駒が盤に戻り続けるので、勝負は玉への攻めで決まります。打つときのルールと四つの禁じ手は持ち駒のページにあります。
ほとんどの駒が成る
チェスで成るのはポーンだけ、しかも最終段だけです。将棋は八種類のうち六種類が成り、敵陣三段のどこでも成れて、成った先はそれぞれ一つに決まっています。歩、香、桂、銀は金と同じ動きになり、飛車と角は元の動きに玉の一歩を足します。成駒は赤で表示します。くわしくは成りのページへ。
キャスリングはない、囲いがある
キャスリングという手はありません。かわりに序盤は、玉を端へ寄せてそのまわりを金銀で固めることに使います。この形を囲いと呼びます。組むのに五手から十手かかり、どれを組むかがその将棋の最初の方針になります。くわしくは囲いのページへ。
引き分けはめったに出ない
ステイルメイトによる引き分けはありません。指す手がなくなったほうが負けです。同一局面が四回現れれば千日手ですが、連続王手の千日手は王手をかけ続けたほうの負けになります。あとは持将棋だけで、双方の玉が入玉して駒を数える場合です。実際には十局のうち九局以上に勝敗がつきます。
棋譜
チェス式の表記では、筋を先手から見て右から1〜9、段を向こう側から a〜i と数え、一手は駒と行き先で書きます: P-7f。日本語では同じ手を7六歩と書き、アプリの棋譜ファイルは 7g7f を使います。くわしくは棋譜の読み方のページへ。
チェスの習慣で、残すものと捨てるもの
| 残す | 捨てる |
|---|---|
| 一つのマスに利いている駒と、守っている駒を数えること。 | リードしたら交換して単純にすること。交換は相手の持ち駒も増やします。 |
| 攻める前に駒を働かせること。 | 玉を中央に置いたままにすること。将棋の中央に安全な場所はありません。 |
| フォークやピンを探すこと。 | 歩を軽く見ること。持ち駒の歩は、持っている中でいちばん役に立つ駒です。 |
| まず王手から読むこと。 | 桂に受けを期待すること。後ろに戻れず、簡単に取られます。 |
最初の一局は変な感じがするはずです。
いちばん下の段階のコンピュータは何をしても許してくれますし、待ったはワンタップ、ヒントはマスより先に駒を教えます。残りは十のレッスンで足ります。