持ち時間
五分、そのあとは一手三十秒。
将棋の時計はチェスの時計とは少し違います。多くの対局ではまず持ち時間があり、それを使い切ると一手ごとに決まった秒数が与えられます。この後半が秒読みで、終盤の感じが大きく変わります。
秒読み
対局場では記録係が声に出して秒を読みます。持ち時間を使い切ったあとは、三十を読み切られる前に指さなければなりません。一手指すごとに秒読みは数え直しになります。秒を貯めることはできず、遅れが溜まることもありません。一手一手を三十秒以内に指しているかぎり、対局は何手でも続きます。
ここがチェスのインクリメントとの違いです。インクリメントは一手ごとに持ち時間そのものが増えるので、早く指す人は貯金が増え、長考する人は減っていきます。秒読みは下限です。誰にでも一手三十秒が最後まで同じだけあり、その中で指し続けている人が時間で負けることはありません。安定した指し回しが報われ、一度の長考が高くつきます。
アプリの二つの持ち時間
| モード | 持ち時間 | そのあと | 対局の感じ |
|---|---|---|---|
| 早指し 速 | 各3分 | なし。使い切ったら負け | 短い対局、切れ負け。だいたい十分以内に終わります。 |
| 通常 静 | 各5分 | 1手30秒 | 序盤に考える時間があり、指し続けているかぎり終盤で時間切れになることはありません。 |
それぞれに別のレーティングがあり、別の勝負として扱います。友達と指す部屋ではどちらも選べますが、レーティングはつきません。コンピュータとの対局に時計はありません。
時計の動き
- 自分の手番のあいだ、相手の手が指された瞬間から自分が指すまで、時計は動きます。
- 「通常」では、持ち時間が0になると表示が三十秒の秒読みに変わります。自分が一手指すごとに三十秒に戻ります。
- 秒読みを読み切られた場合、また早指しで3分を使い切った場合は、時間切れで負けです。相手には、詰みではなく時間切れで対局が終わったと伝わります。
- 接続が切れても時計は動き続けます。アプリは復帰できしだい同じ対局につなぎ直します。
プロの持ち時間
タイトル戦は持ち時間が各何時間もあり、二日制のこともあります。使い切ったあとは一手一分です。テレビ棋戦は十分三十秒。ネットでは十分切れ負け、三分切れ負け、持ち時間なしの一手十秒あたりがよく指されています。将棋城の早指しはその仲間で、「通常」は道場の一局を短くした形です。
秒読みでの指し方
- 持ち時間は早めに使う。 序盤と、戦いが始まる場面こそ、方針を決めるのに何分か使う値打ちがあります。終盤はどのみち一手三十秒です。
- 相手の時間で考える。 相手が一番指しそうな手への返しは、自分ではなく相手の時計が動いているあいだに決めておきます。
- 秒読みでは二十で指す。 何秒か残しておけば、指し間違いで負けることがありません。
- 勝勢でも局面は局面。 詰みを逃すのは秒読みの中です。毎日の詰将棋はそのためにあります。
持ち時間を選ぶ。
アプリで対局を押して、早指しか通常を選びます。どちらにも別のレーティングがあり、五局で段級位がつきます。