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戦法 · 一覧

将棋の戦法を、ひとまとめに。

初心者が最初に教わる指し方から、プロが指す最新形、一度しか通用しない奇襲まで、実際に出会う十四の戦法。それぞれ居飛車か振り飛車か、相性のよい囲い、狙い、そして相手の手を借りずに形が示せるものは組み上がりの図も並べました。

将棋の戦法は、飛車をどこへ動かすかで分かれます。居飛車は飛車を元の位置に置いたまま玉を左に囲い、振り飛車は飛車を中央か左へ振って玉を右に囲います。双方が同じ側を選べば相居飛車、相振り飛車と呼び、分かれれば対抗形で、プロより下のどの段級位でもこれが一番多い形です。くわしい解説のある五つには印を付けてあります。

四間飛車三間飛車石田流中飛車向かい飛車矢倉棒銀右四間飛車角換わり相掛かり横歩取り藤井システム鬼殺し筋違い角

四間飛車

振り飛車 · 囲い:美濃囲い · くわしい解説

飛車を左から四つ目の筋、6筋に振り、玉は右へ寄せて美濃に囲い、あとは待つ。日本のアマチュアでいちばん指されている戦法です。理由のある同じ組み方をどんな相手にも当てはめられるシステムで、相手がいよいよ攻めてきたときには、6筋に返し技の形が用意されています。アプリのコンピュータも定跡どおりにこれを指します。

四間飛車の組み上がり
四間飛車。後手が動かないものとして、先手だけを12手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

三間飛車

振り飛車 · 囲い:美濃囲い

四間飛車よりもう一筋左、7五へ突く歩の真後ろに飛車を据えます。荒っぽい親戚である石田流よりは落ち着いた指し方で、8筋から攻めたい居飛車にはよく利きます。すでに飛車がそこで待っているからです。弱点は2二からの角の利きで、これは6六の歩で止めておかなければなりません。

三間飛車の組み上がり
三間飛車。後手が動かないものとして、先手だけを10手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

石田流

振り飛車 · 囲い:美濃囲い · くわしい解説

前に出る三間飛車です。伸ばした歩の後ろの7六に飛車、7七に桂、角は9七へ回して、左辺がまるごと相手を向きます。速くて鋭く、いまアマチュアのあいだで最も人気のある振り飛車です。三手目にいきなり7五歩と突くのが早石田です。

石田流の組み上がり
石田流。後手が動かないものとして、先手だけを12手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

中飛車

振り飛車 · 囲い:美濃囲い

飛車を中央の筋へ振り、早めに5五まで歩を伸ばして、飛車が最初から敵陣をにらむ形にします。現代の形であるゴキゲン中飛車は四手目に5五歩と突き、止められるものなら止めてみろと迫ります。古い形は歩を5六に置いて待ちます。覚えるのは簡単、受けるのは大変で、居飛車が穴熊に潜るようになった理由のひとつです。

中飛車の組み上がり
中飛車。後手が動かないものとして、先手だけを10手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

向かい飛車

振り飛車 · 囲い:美濃囲い

飛車を一気に8筋まで振り、盤を挟んで相手の飛車と向かい合わせます。角は7七へ上がって場所を空けます。狙いは8六歩から、相手の飛車が使いたい筋で歩を交換し、相手側の陣地で主導権を握ることです。相振り飛車でよく現れ、8五歩を早く突きすぎた居飛車への奇襲としても使えます。

向かい飛車の組み上がり
向かい飛車。後手が動かないものとして、先手だけを10手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

矢倉

居飛車 · 囲い:矢倉囲い · くわしい解説

お互いに飛車は元の位置のまま、玉は左で矢倉に囲い、相手の城を崩しにいく遅い競走になります。ほぼ一世紀にわたるプロ将棋の本流で、手順の研究はどの戦法よりも深いところまで進んでいます。アマチュアなら、右の銀を3七から4六へ進めて桂を続ける形か、棒銀が方針になります。

矢倉の組み上がり
矢倉。後手が動かないものとして、先手だけを16手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

棒銀

居飛車 · 囲い:舟囲いまたは矢倉 · くわしい解説

右の銀が飛車先の歩の後ろをまっすぐ上がっていきます。3八、2七、2六。飛車と歩と銀で2四に狙いを集めると、そこを守っているのは角だけです。初心者が最初に覚える攻め筋で、どの居飛車の戦法でも使えます。振り飛車が相手なら、同じ銀が反対側から7九、4六へと出ていきます。

棒銀の組み上がり
棒銀。後手が動かないものとして、先手だけを9手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

右四間飛車

居飛車 · 囲い:舟囲い

居飛車のハンマーです。飛車を右から四つ目の4筋へ回し、銀を4七、桂を3七、歩を4六に置いて、一斉に4五へ押し込みます。動きの遅い四間飛車には勝ち、4五を受けていない矢倉にも勝ち、この形を知っている相手には負けます。四枚の駒が一点に集まる攻めの感触を覚えるには、うってつけの戦法です。

右四間飛車の組み上がり
右四間飛車。後手が動かないものとして、先手だけを9手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

角換わり

居飛車 · 囲い:矢倉型(玉は8八)

三手目か四手目に角を交換し、2二あるいは8八で取り合って銀で取り返します。以後は双方が角を持ち駒に持ったまま序盤を進めるので、角を打たれそうな地点をすべて見ておかなければなりません。定番の続きは、右の銀を5六に上がる腰掛け銀と、桂を3七へ跳ねる形。研究は深く、毎年形が変わります。初心者向けではありませんが、プロが戦いたいときに最も選ぶ戦法です。

相掛かり

居飛車 · 囲い:中住まい(玉は中央)

双方が飛車先の歩を突いて三手目に交換し、飛車が早々と前線へ出て、どちらの玉も動かないうちに開けた戦いになります。玉は囲わず、中央付近にゆるく置いたままのことが多い戦型です。速くて正直な戦法で、覚えることは少なく、読むことがたくさんあります。チェス出身の人に好まれます。

横歩取り

居飛車 · 囲い:序盤は囲わない

飛車先の歩を交換したあと、先手の飛車が横に並んだ3四の歩を取り、その代償に後手が一手得をします。七手目にはお互いの飛車が盤上に出たままで、将棋でもっとも激しい形になり、たった一手の名前がそのまま戦型の名前になっています。プロは好んで指しますが、まずは何局か並べてから試すのがよいでしょう。

藤井システム

振り飛車 · 囲い:攻め方が決まるまで囲わない

囲わない四間飛車です。居飛車に穴熊へ潜らせないために、一九九〇年代に藤井猛が編み出しました。玉は5九に置いたまま、桂を3七へ跳ね、端の歩を伸ばし、相手が潜り始めた瞬間に攻めが始まります。相手が普通に囲えば、こちらもいつもどおり玉を美濃に収めます。プロ将棋を変えた戦法であり、穴熊がただ得な囲いではなくなった理由です。

藤井システムの組み上がり
藤井システム。後手が動かないものとして、先手だけを10手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

鬼殺し

奇襲 · 囲い:なし

二手目に桂を7七、三手目に6五へ跳ね、6一の銀と5三の歩を同時に狙い、飛車が7筋へ続きます。見たことのない相手なら十五手で終わりますが、知っている相手には桂がただで死にます。将棋の奇襲戦法でもっとも有名なもので、桂を高く跳ねすぎてはいけない理由の見本でもあります。

鬼殺しの組み上がり
鬼殺し。後手が動かないものとして、先手だけを5手進めた形。丸印の付いた地点がこの戦法の骨格です。

筋違い角

奇襲 · 囲い:場合による

先手が三手目に角を交換し、すぐに4五へ角を打ち直します。そこから3四か6三の歩を取り、もとの角では決して利かせられない筋に居座ります。後手は歩損のうえ、動かない駒を避けながら指すことになります。正しく応じられれば無理な戦法ですが、それ以外の相手には十分通用し、持ち駒の角の価値を知るにはよい題材です。

盤を挟んで指してみる。

コンピュータは定跡どおりに四間飛車と矢倉を指します。感想戦では、戦法の形から外れた手を教えてくれます。

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